一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

140   降る雪や明治は遠くなりにけり   草田男

2011年01月29日 | 

 「この句には、(や)と(かな)の二つの切れ字があるけれど、いいのですか?」という質問を受けました。私の意見としては、

 

   切れ字は、一つの方が、焦点がはっきりして失敗が少ない、とでも言っておきましょうか。しかし

 

   切れ字が二つは、駄目ではない。あくまで、ケースバイケースです。逆に、どんどん作ってみて下さい。必ず、この場合は良い、この場合は止めた方が良い、というケースがあるはずです。

 

   この句の「明治は遠くなりにけり」は知っていても、「降る雪や」を知らない人が意外と多いのです。

つまり、「降る雪や」以外に春夏秋冬、新年のどんな季語でも構わないのです。季語が動く、季語が定着していない、という訳です。しかし、ここが俳句の難しいところですね。

 

   では、この句の場合は?

季語の(降る雪や)と(明治は遠くなりにけり)が絶妙なバランスを保っている、と思います。

 

   「降る雪や」ですが、「降れる雪」「雪が降る」「雪降れり」など、切れ字を使わないやり方もあるのですが、作者はそうしなかった。

 

   結論は、切れ字は二つあって良い、但し、バランスをよく考えること。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする