一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

渦巻く吹雪自画像に秘しゴッホ   炎火

2011年01月09日 | 

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渦巻く吹雪自画像に秘しゴッホ   炎火 

 

1853年生まれのフィンセント・ファン・ゴッホは、37歳で自殺するまでの10年間に、約40枚あまりの自画像を描いたという。

若い頃のかしこまった自画像。ゴーギャンと共同生活をしていたときに、耳を切り落とした後の包帯を巻いた自画像。死の前年の自画像などがある。

 

この句の自画像は、死の前年の自画像であろう。背景、服、顔までも渦巻く曲線で描かれている。

牧師の子に生まれ、10年間に2,000枚の絵を描いたが、生涯にたった1枚しか売れなかった、ゴッホの苦悩の象徴とも思われるその渦巻く曲線。

 

この句の作者は、その曲線を吹雪と見立て、更にその吹雪を秘しているという。見事な想像であり、季語も破調もそれを援護している。

  

さて、日本人として恥ずかしい余談であるが、

 ゴッホの代表作「医師ガシェの肖像」は、21年前ある日本人が、124億円余で落札した。彼は生涯公開せず、「棺桶に入れて焼却してくれ」と豪語したそうだが、死後は銀行担保となり転売されたという。

 

この話を聞いたらどう思うか、ゴッホに聞いてみたいものだ。

 

 

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