キマグレ競馬・備忘録

競馬、MLB、スポーツ観戦、趣味など気になる事を書いています。

本「流れ」

2012年11月16日 | Book

著者によるポピュラーサイエンス三部作の2作目。「流体力学」に焦点を当てて、判りやすく解説する。レオナルド=ダ・ヴィンチの絵画は、水の流れにインスピレーションを受けていたという考察に始まり、下流のパターン秩序、流体力学の重要な値:レイノルズ数、カルマン渦列、ケルヴィン=ホルムヘルツ不安定性、木星の大赤斑、レイリー数、レイリー=ベルナール対流、砂丘の模様、安定最大角、安息角、1/fベキ乗則、グーテンベルグ=リヒター法則、ブラジル=ナッツ効果、群れ、などを、木星の大赤斑や砂丘の模様など多くの事例を使って解説している。
流体というのは、空気や水の流れのように日常生活の中で常に接するものであり、大変身近な存在ですが、これらの物質に纏わる現象を説明しようとすると難しさを感じます。例えば、パイプを通る水の流速は、中央が速く淵のほうが遅くなる。それは壁の摩擦の影響が大きいという簡単なモデルで説明できます。しかしながら、少し複雑なモデルになると理論通りに行かない難しさもあり、この分野の奥深さもあるようです。
ちなみにこの本で紹介されている気に入った現象は、「ブラジルナッツ効果」です。大きなナッツは、袋を振ると段々上に押し上げられるという理論で、これも流体力学で説明することができるようです。「かたち」よりも読みやすく、科学に疎い人でも楽しめる本です。


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