キマグレ競馬・備忘録

競馬、MLB、スポーツ観戦、趣味など気になる事を書いています。

本「それでもほくらは肉を食う」

2016年02月15日 | Book

こんな本を読んでみた。以下は読後の感想。

動物に対する感情は複雑で、動物愛護に携わる人も仕事となると動物を殺すし、菜食主義者でも自分が動物と認めない魚のようなものは、平気で食べてしまう。動物と人間の関係には、民族や文化で多くの考え方があるため、こうあるべきというルールは無い。この本で取り上げた多くの事例を、自分に置き換えてみるといろいろ考えさせられる事が多かった。
競馬が好きで、テレビ中継で見ていた頃の馬に対する見方は「走る機械」だった。馬の競走能力をデータに置き換えて勝敗を予想し、結果の勝ち負けだけに拘り、馬が故障して安楽死させられても何とも思わなかった。でも競馬場に出掛けるようになり、現実の競争馬を見るようになって、少しずつ馬に対する感情が変わってきたように思う。レースで負けた競争馬にも、1頭の生き物としての愛情を感じるようになり、故障してコースに佇む馬を見るとその馬の運命を察して居た堪れなくなる。だからと言って、競馬という競技を非難する気持ちも起こらない。馬肉の材料として育成されている馬も居るわけだから、それに比べると自分の能力を発揮する機会を与えられた(強制された)ある意味、幸せな馬とも言える。世の中には、生き物を「食べ物」や「金儲けの道具」としてしか見ない人達も居るし、人間と同じレベルの「動物」として見る人達もいる。相容れない2つの立場で、対処の仕方が違ってくるのは当然だろう。だからこそ、個々人の動物に対する意識のカテゴリー分けが必要になる。著者の実体験を含めて大変面白い内容なので、ペットを飼ったり動物と接する機会のある人に薦めたい。一読すると動物との付き合い方が変わるかもしれません。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする