最後は「負けをひきずりやすい人」への処方箋。負けをひきずるパターンはだいたい決まっている。当たったと思ったのに、結果はハズレという場合。特にハナ差で逆転とか審議で降着とか、当たったと喜んでいたら実は買ってなかったという「惜しい」パターンだ。次のレースまで、厭な気分をひきずってしまう。
この本には、負けをひきずる事例が紹介されている。
A 後悔するのが嫌だから、外れたレースはすぐに忘れる。
B きわどい馬券をモノにすると、つい周りにおごってしまう。
C 自信のレースを外した時は、騎手や調教師のせいにする。
D テキトーに買った馬券でも「当たった理由」を探し出す。
E 予想がスランプに陥ると競馬をやめたくなる。
F 最終レースが近づくにつれ、賭け金が高くなっていく。
G 完璧に予想が外れても負けを認めることができない。
H 来週のチャンスを待つことができず、日曜の最終レースで勝負してしまう。
自分の場合、この中で経験があるのは、Eのパターン。不調が続いて止めたくなることはよくあることだ。でも競馬は、おそらく死ぬまで(死んだ後も)続くギャンブルなのだから、今、目の前のレースで無理して当てに行かなくても、チャンスはいくらでも巡ってくる。そういう気持ちになって、気分が楽になった。競馬は、ダメもとなのだ。それから時々、競馬をスポーツとして見てみるのもいいと思う。じっくりレースを眺めていると、賭けてもいい(損してもいい)レースと賭けなくてもいい(賭けても面白くない)レースが判ってくる。そういうやり方もあると思う。
ということで、1週間、自分のスタイルをチェックしてみたら、勝てない理由が判ってきた。おそらく「自分の拘り」が予想や馬券に影響している。これは間違いない。自分の競馬のやり方に、拘りを持つのは良い事と考えて実行してきたが、逆に予想の幅を狭めて、馬券の買い方に迷いを生じさせる原因なのかもしれない。ということで、秋のシーズンはこの本の処方箋に従って、トライしてみようと思う。
この本「勝ちきるための馬券心理学」は、競馬ファンの心理状態以外にも身近な事例も取り上げていてなかなか面白い本です。自分の競馬が不調に陥った時に、気晴らしに読むといいかもしれません。