キマグレ競馬・備忘録

競馬、MLB、スポーツ観戦、趣味など気になる事を書いています。

本「お金本」

2020年11月19日 | Book
作家や文士のお金に纏わる文章を集めた本。
お金が無くて生活に喘ぐ文豪たちの本音の文章を読むと、作家という職業の厳しさを感じる。
作家として独り立ちするまでは、他の仕事をしながら書けば良いのにと思うけれど、
当時はそういうわけにも行かなかったのだろう。
退路を断って全身全霊で作品を書く。当時はこれがあるべき姿だったのかもしれない。
お金が無いので借金する人もいるが、ただ借金等で折角工面したお金を酒や遊興に使って
しまうのはどうかと思う。この本で取り上げた多数の作家が酒に注込んでいる。
ストレス解消、知人達との交友で気を紛らわすためではないかと思うが、借金してまで
飲むことは無い。同情したくなった作家もいるけれど、自業自得と思える作家もいる。
お金に困窮する色々な作家の素顔が見えて、とても面白い本だ。
因みに、気になった文章は川端康成の「私の生活」。
十箇条で記された彼の理想の生活は、
ニート生活のようだ。私の理想の生活とは真逆。
金田一京助の「啄木余響」。彼は親友石川啄木のために尽くすけれど、啄木は素っ気ない
正直、啄木のような友人は持ちたくない。
北野武の「関係の問題」、現代の友情は損得の関係になってしまった。
友情に見返りを求めてはいけないという話。確かその意見も判るが、、。
芥川龍之介のラブレターは、お金の問題を超越して心を動かす素晴らしい文章だと思った。
もし彼の手紙を見たら、一発で好きになってしまいそう。私も根は純情なのかも、、?

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