善く生きれば人生は短くないと説く短い本。
セネカと言えば、ローマ帝政の初期の哲学者で、イエス・キリストとほぼ同時代を生きた人です。そのセネカが書いたのがこの本で、人生は短いと嘆く多くの人達に対して、「われわれは、短い時間を持っているのではなく、実はその多くを浪費しているのである。人生は十分に長く、その全体が有効に費やされるならば、最も偉大な事をも完成できるほど豊富に与えられている」と説いています。
これは、2000年前のローマの時代の言葉ですが、現代でも十分に通用します。仕事と遊びを繰り返す毎日を送り、いつの間にか季節が巡り、歳を取った自分は一体何をしてきたのだろうと思うことがあります。こんな疑問が湧くこと自体が、時間を浪費している証拠なのかもしれません。今からでも遅くないので、セネカの言葉に従って、充実した毎日を送りたいものです。
ちなみにセネカは、皇帝ネロに自殺を命じられます。自分自身の運命を予期していたからこそ、自分の大事な時間を善く生きたいと願っていたのかもしれません。
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