神が宿るところ

古社寺、磐座、不思議・パワースポット、古代史など極私的な興味の対象を見に行く

高草山 法華寺

2011-04-22 23:16:44 | 寺院
高草山 法華寺(こうそうさん ほっけじ)。本尊:千手観音。
場所:静岡県焼津市花沢2。「花沢の里」駐車場から徒歩約20分。
寺伝によれば、創建は天平年間(729~749年)で、本尊の千手観音像(秘仏)は行基の作であるという。寺号から、前身は国分尼寺ではないかとする説もあるが、国府や国分寺から離れて過ぎていることや山岳寺院であることなどからすると、元・国分尼寺説は首肯し難い。かつては子院が16坊あり、現在は当寺にある聖観音像(県指定文化財)は、元は奥院の東照寺(廃寺)の本尊で、聖徳太子の作であるという(実際には、いわゆる藤原時代のものらしい。)。天台宗の寺院で、元は「比叡山 延暦寺」(滋賀県大津市)の末寺だったが、永禄13年(1570年)に武田軍の兵火にかかり、伽藍は全焼した。延宝2年(1674年)に「東叡山 寛永寺」(東京都台東区)の直末寺となって再興された。
創建の事情は不明だが、旧「東照寺」聖観音像が平安時代まで遡ること、難所の「日本坂峠」の登り口にあるところから、元々は古代東海道の守り神として祀られた可能性が高い。そして、峠を越える人々を援助する「布施屋」の機能を持っていたものと思われる。


写真1:「法華寺」入口


写真2:仁王門(江戸中期)。焼津市指定文化財。


写真3:本堂
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