鬼を倒すということは致命傷を与えるということだ。「これでもくらえ!」と繰り出すと鬼は「なんだそんなものか」と答える。「だったらこれならばどうだ」と畳みかけると「ははその程度のものか」と返ってくる。もっと厳しくなければ駄目だ。
「それならばこうだ!」と今度は最も強烈な攻撃手段に打って出る。すると鬼は「やっぱりそれだったか」という具合にひらりと身をかわすのだ。まだ甘かったか。そのレベルでは足りなかったと反省し、攻撃の次元を更に高いレベルに繰り上げて、攻撃を続行する。
「だったらこれでもくらえ!」と容赦のないレベルの攻撃を繰り出す。流石にまいったかと見ていると鬼は「ほほまあまあやるじゃないか」と余裕の笑みを浮かべながら半歩後退している。
「まあまあだと?」(遊ばれているのか?)
その時は、実際には紙一重だったということもある。辛うじて助かったのを隠すように、軽い言葉を用いている場合があるからだ。全容は未だ不透明だ。鬼を倒すための新しいアイデアが待たれる。
お前「まつ」
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旅に出て
いつかのあつい
辞書と消えたの
折句 短歌「鬼退治」