「ボール一つでどこでもつながれる」と旅人は言った
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言葉は偉い。どんな学問も遊びも元に言葉がなくては。ドラマも、映画も、音楽も、漫画も、演劇も、ゲームも、ラジオも、オペラも、スポーツも、料理も、会議も、法律も、戦術も、落語も、漫才も、プログラムも、雑談も、恋愛も、みんなみんな。言葉がなければ何も始まらない。言葉は偉い。ずっとそう思っていた。
pomeraに向けて言葉を打ち込んでいた。
通行人の目にそれはどう映っていたのだろう。
pomeraの後ろを素通りしていく人。ほんの一瞬、立ち止まったとして、感想は決まって「何じゃこりゃ」。
遙か昔、1分ほど足を止めて言葉を読み込んだ人がいた。
「眠たくなるわ」一言ジャッジして彼女は去っていった。言葉が悪いのではない。ただ、僕が並べた言葉が睡魔とつながっていたというだけだった。
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タブレットに向いて絵を描いていた。
「鬼の角はね……」
足を止めた人が文句を言ってくる。
「猫の顔はね……」
誰かが猫の輪郭について教えてくれる。
「窓とは……」
成り立ちについてアドバイスをくれる人がいる。
花でも木でも空でも雲でも海でも夜でも馬でもライオンでも恐竜でも星でも宇宙でも闇でも悪魔でもエイリアンでも……。
「なになに?」
素朴な好奇心を持って光る目が近づいてくる。
(あれ? 何かpomeraの時とまるで違う)
絵ってすごいんだな