眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

ふらふらダイビング

2020-03-19 23:36:00 | 夢追い
「落ちてくる!」
 彼女の視線の先を見上げると飛翔体があった。彼女の言う通りどんどんこちらに近づいてくる。危ないと思いながら、僕はその場にかたまっていた。恐怖のせいか一歩も動けなくなったのだ。それは既に制御を失っているようだった。唸るような音とともに接近してくる。「ああ」叫びにもならない声が漏れた。飛翔体は数歩先に墜落した。爆発はしなかった。ごく僅かにプロペラの破片が飛び散っただけだった。もしも、大きな物体だったら、間違いなく僕は助からなかった。

 どこで手を洗うべきかもわからない。見取り図がわかりづらい。『ふらふらダイビング』にやってきたものの、システムもよくわからないままに僕は帰り支度に入っていた。下へ行くエスカレーターが見つからない。

「彼、このまま帰すの?」
 誰かが僕のことを何か言っている。
「藤原さん、いいの? 二度と来ないと思うよ」
 藤原さんと思われる人が素敵な笑顔を見せながら近づいてきた。
「ああ、どうも」
 ふらふらダイビングに深く携わっている人のようだ。
「ちょっと寄ってみたんです」(何もわからず)
「ああ、そう」
 藤原さんはふらふらダイビングの魅力について話し始めた。その内にまた別の人がやってきた。肩幅が広くがっしりとした男だ。

「彼は日本代表の横山です。半年前の世界大会見ました?」
「いいえ、ちょっと」
 藤原さん、横山さんと話す内にどんどん人が集まってきた。ちょうど飛行から帰ってきたところのようだ。みんな新しくやってきた人に興味があるようだった。

「続けていくと面白くなるかもしれませんよ」
「近いんですか?」
「へー。割と遠いですね」
「俺の方が遠いわ」
「才能あるかも」
「何か飛べそうな感じがする」
「ああ。そうっすかね」
「僕も全くの素人でした」
「そうですか」
「また来てくださいよ」
「水曜日とか空いてます?」
「水曜はちょっと……」

「まあ、近い内に」
「はい」

「ふらふらダイビング。これから来ますよ」

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カレーができる

2020-03-19 10:36:00 | 【創作note】
カレーを作ろうとするなら

冷凍庫には人参がある
冷蔵庫を開ければ
バラ肉やエリンギ
ミニトマト
スライスされた玉葱がある

ジャワカレーがある
魔法の鍋がある
水がある
電子レンジがある
スパイスがある

寒い夜だから
カプサイシンが欲しい

カレーを作るのは簡単だ

その気になれば
すぐにでも

できる

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