昔々、まだテクノロージーが発達する以前の惑星には、おじいさんとおばあさんがいました。宇宙がはじまってまもなくすると、おじいさんは山に芝刈りに行きました。そこは昔らしく機械に頼らない手作業が必要で、大層体力を必要としていました。その頃、おばあさんは清く正しく川に洗濯に出かけていました。
川辺にはおばあさんよりも先輩のおばあさんがいて、紙芝居の最中でした。周りにはたくさんの子供たちが集まって、紙芝居ばばあの声に耳を傾けていました。おばあさんは、紙芝居の邪魔にならないように、少し離れたところで洗濯を始めました。
「カメは真っ先に動き始めました。他の誰よりも早く動き出さないと勝負にならないとわかっていたからでした。ウサギは慌てることなくまずは準備運動から始めました。自分の力を出しさえすれば勝てるのだけれど、そのためには入念な準備運動が大切とわかっていたからでした。入念な準備運動の途中、ウサギはうとうととしはじめ、ついには眠ってしまいました」
どんぶらこ♪
どんぶらこ♪
その時、上流から流れてきた桃に気づく者は誰もいませんでした。