「30分押しとなっております」
ファイルを手にして待合所に行くと
100人程の患者が既に待っている
これはとてもじゃないぞ
複数の科が混在しているにしても
人が多すぎる
窮屈な長椅子が
果てしなく伸びて見える
いつまでも名前を呼ばれないまま
時間は過ぎていく
小さな子の泣き声
1時間経っても人の多さは相変わらず
みんな昼ご飯食べないの?
耐え切れなくなって
僕はpomeraを開いた
ボランチとサイドハーフが
議論を交わしている
ドーナツの穴の向こうに
もう一つの居場所はあった
つながるパス
優れた戦術
心強いチャント
見えないゴール
ファールを告げる笛
13時
アナウンスの声が
がたつくpomeraを閉じさせる
「……さん。3、5、2好きな番号にお入りください」
僕はドーナツの絵を引きずりながら
2番の診察室の扉を開けた
「お待たせしたにゃー!」
しまった!
ここは猫の先生だ
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