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前から現代人が歩いてくる。手の中の蒲鉾をフューチャーしながら、こちらに向かっている。世界をぎゅっと詰め込んだ最新の蒲鉾。見知らぬ通行人なんかより、その蒲鉾はずっとずっと大事だ。風が吹いても、道が折れても、蝶が舞っても、月が揺れても、現代人の関心は、ずっと蒲鉾の光に釘付けにされている。
(死んでも離さない)
ぶつからないように予め進路を読んで安全な距離を取る。けれども、読みの範囲にない怪しい動きをする。前方にあるものはまるで視野にはないのか。ふらふら揺れながらこちらに接近してくる。現代人は誘導弾だ。
ついに破滅的な衝突をして曲ができた。
僕はそれに「誕生」と名前をつけた。
避けようもなく、隕石というのはある日このようにぶつかるのかもしれないな。
ともかく、できた以上はリリースしなければ。
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