買い物を済ませて、富士見町のあぐりモールを出る。

もう外は暗い。
富士見町を北上し、原村に入る。
ズームラインを東に走り標高を上げ、次に鉢巻道路を北に走って、やがて三井の森にある山荘へ帰るつもりだった。
その鉢巻道路を北上している時に、いきなりタイヤがスリップした。道路の表面が凍っていたのだ。そこは誰もが減速する場所で、道路の状態はツルツル。私も減速した。しかしその事前の減速度合いが足りなかったのか、購入からちょうど3年経ったタイヤのゴムの劣化が始まり制動性に問題があったのか、私のブレーキの踏み方が下手だったのか・・・。因みに私のクルマはフルタイム四駆である。
鉢巻道路を茅野市方向に向かっていた私のクルマは、スルッと滑り始めそのまま右にするるぅ~とキレイに半回転したあと、サッと止まった。まるで華麗な羽生結弦クンの回転のようだ。そして回転して止まった私のクルマはスリップする前とは、きっちり180度違う方向を向いていた。
その回転の精確さでは羽生結弦クンと同じようなものだが、私は意図せずしてそれを実現していてある意味私は天才かもしれない。

ふざけている場合ではないね。反対車線に他のクルマがいなかったのが、不幸中の幸いだ。それだけでもありがたいと思わないといけない。このあたりはいきなり横から鹿が飛び出して来るので普段から減速してはいる。何かと怖い場所だ。
実は、精確に180度回ってスッとクルマが止まったのには、訳がある。左側前後の2輪が、溝に嵌ったからである。
下の画像の中央を、やや右寄りの上からやや左寄りの下に下がって来るのが溝だ。そこに車体左側の前後輪とも落ちているのである。

下の画像に写っているのは、クルマの左前の角と問題の溝である。わかりにくいかな?

これ(↓)ならわかるでしょう。
完全にクルマが傾いている。左側(こっちから見ると右側)が下がっているでしょう?

現場を説明しましょう。
下の画像で左下から緩く曲がりながら北東方向に向かって行くのが鉢巻道路だ。青い丸がアルピコ四季の森の管理センター前交差点、赤い丸が八ヶ岳中央高原三井の森に入るT字路である。スリップしたのはその間の、やや三井の森寄りの黄色い星印(☆)のところである。

【Google Map】
あとで三井の森の管理センターに聞いたところでは、ちょっと前からここは凍っていて危なかったとか。
ずっと氷点下なら雪が溶けることもないが、気温が0度をまたいで上がったり下がったりすると、雪が溶けて水になり、その後凍って表面がツルツルになるということが起こる。
ちなみにこの時点で外気温はマイナス1度だったことが、下の画像でわかる。

やることは2つ。
1.チューリッヒ自動車保険のロードサービスに電話して救援を頼む。
2.近所にお住まいの I 財閥の I さんに電話して救援を頼む。
1.はレッカーサービスである。溝に落ちたクルマを引き上げてもらうのだ。チューリッヒに電話したらすぐに対応してくれる。やがてショートメールで携帯に連絡があり、何時何分にレッカー車がやって来るかを知らせてくれる(↓)。

2.の I さんはこの近所にお住まいの起業家さんで、そこへ電話したのは、妻とドガティ君と富士見で購入した食材を早めに山荘に運んでもらうためのものだ。電話したらさっそく来て下さった。
人間1人、犬一匹、食材を我が山荘に運んだ I さんは、また現場に戻って来て、私に付き合ってくださった。親切な方だ。どうもありがとうございます。

しばらく待っていると、チューリッヒ保険からの事前の連絡とほとんど違わない時間に、ロードサービスが到着。
その担当者さんは「こうして、ああして、こうしますからねー」と手際よく作業の手順を、私に説明してくださった。

そしてワイヤーを私のクルマにつけて、先に前輪、あとから後輪を引き出してくれた。
私はクルマに乗り、エンジンをかけて、言われるがままに操作しただけ。

左前輪は側面のゴムに亀裂が入ってしまった。
ロードサービスの人はそれをスペアタイヤに交換してくださった。
私は初めて自分のクルマにスペアタイヤが装着されたところを見た。

こちらが、傷ついてしまった左前輪。

これで作業は終了。
I さん、ロードサービスさん、どうもありがとうございました。おかげで私は無事山荘に戻ることができます。
滑った後だし、4輪のうちの1つは雪道を走るには不都合なスペアタイヤであることから、私は慎重にノロノロ走行して山荘にたどり着いた。
あぁ~、疲れた。

早めに寝ましょう。

富士見で購入して来た本。

北条氏の時代は、鎌倉検定の資格保持者である妻のもの。
藤原正彦先生の本が、私が買ったものだ。
I さん、ロードサービスの担当者さん、ありがとうございました。
他にも何人かの見ず知らずのドライバーさんが、横で一旦停止し、私に声をかけてくださった。
この世は親切な人で満ちている・・・。
【つづく】