資格マニアの徒然草ブログ

目標としていた70歳で五百資格、2年前倒しで達成しました、これからはジャンルに関係なく、徒然なるままに書いていきます。

デタラメな日本の破綻論

2012年05月09日 | ビジネス・経済
 月曜夜の未来世紀ジパングという番組を見ていて驚いた。この番組、実は1月に私も「ビジネス資格の達人」として出演した番組である。テーマはあんまりよく覚えてはいないが、「資産を海外に移す人が増えている」というような内容だった。原因は「日本経済の破たん」、この手の番組はおおむねパターンが決まっている。ディレクターが考えるんだろうが、ほとんど同じである。
 
 まず、ギリシアの映像でデモや火炎瓶が投げられていてギリシアが負債で大変なことになっている様子、そして次に日本の負債の多さ、数字の理解できない芸能人が驚く。ところが日本の国債はほとんどが日本人が持っているため、安心なんだと専門家のインタビューが入る。最後に、それでは番組が繋がらないため、実は心配な点が、いくつもあるんだ、また、専門家(こちらは、たいてい番組に出演している)がとうとう述べる。こんな具合だ。

 月曜日はトレーダーの藤巻氏が出演していた。この方、有名なトレーダーで、この方の書籍も私は読んだことがある。どんなことを言うかと見ていた。案の定ストーリーは前述のとおりである。最後に藤巻氏は、日本の破たんで心配な点をグラフで説明する。これがかなりデタラメな話だった。

 藤巻氏の意見は、日本の国債の残高より、家計の貯蓄残高が当然多いのだが、この差が小さくなっており、だんだん日本で国債を買う力がの限界が近づいており、破たんが近づいているというものだった。
 
 ちょっと待った!このグラフを見てほしい。これは日本国のバランスシートだ。私の企画している管理者研修で、日本の実情を教えるために作成したものだ。データはもちろん日本銀行から。
 
 
 

 藤巻氏の意見の要約は、このグラフで言うと、日本政府の負債(右の一番上の青)は1002兆円、一方家計の資産は1453兆円(左の一番下の赤)、この差がだんだん縮まっており、破たんが近づいているというものだ。しかし、この議論は二点ほど誤りがある。まず確かに貸方の政府の負債はたしかに1002兆円だが、借り方の政府の資産も482兆円(左の一番上)ある。その差が問題なのであって、その差は(1002兆円-482兆円=520兆円)、おおよそGDP1年分となり、破綻だあ~~と、取り立てて大騒ぎするほどではない。

 もう一点、借り方の家計の資産では増加する国債を購入する力がなくなるというが、その上に民間企業の資産がある。あわせて2301兆円(左の赤と黄色の合計1453兆円+848兆円=2301兆円)なのだ。国債は家計の主体である個人以外買ってはいけないというルールでもあるのだろうか? まだまだ日本は国債を発行できるのである、決して国債を増やすのはいいことではないが。

 いつもそうなんだが、マスコミは何で正しく報道しないんだろうか?そんなに日本を破綻させたいんだろうか?


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技術評論社

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