そして日本経済が世界の希望になる (PHP新書) | |
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ポール・クルーグマンの「そして日本経済が世界の希望になる」という新書を読んだ。ポール・クルーグマンは、ノーベル経済学賞の受賞者で、アベノミクスの精神的柱になった人だ。アべノミクスの金融政策、財政政策についてキチンと書かれている。外国人がここまで日本のことを知ってるとは驚いた。
さて、この本の中に、財政再建の話が出てくる。是が非でも財政再建をという人達にとって理論的柱となったロゴフ・&ラインハート論文(LL論文)というのが出てくる。これは債務がGDPの90%を超えると経済成長の足を引っ張るという論文である。(ちなみに日本は、債務/GDPは約200%、純債務/GDPは約100%)消費税のアップ賛成派もこの辺が根拠になっていた可能性がある。
しかし、この論文、アメリカの大学院生が誤りであることを発見した。何と、エクセルのマクロの誤りで集計ミスだと発見したそうである。世界中の財政再建優先派の根拠となった論文がエクセルマクロの誤りとは!、
財政再建はいつか必要だが、それは景気が十分回復してからでよい。今消費税をアップするのに、理論的裏付けもないのである。