私、人生の後半は、資格取得を職業にしていると言ってもいい。最近ある資格の評論を読んで、おやっと思ったことがある。その評論は、ある民間の資格(NTTが開催しているドットコムマスターという資格だ)を評して、こんなもの、取っても役にも立たない! と切って捨ててるのである。この資格を取っても、昇進昇格には役に立たないということのようだ。
私は、その評論、違和感を感じた。そこで、資格取得の動機について改めて考えてみた。中小企業診断士の一次試験の学習や、いろいろな講座でマズローの5段階欲求説というのが登場する。この論理は裏つけは乏しいようだが、わかりやすいため、私も研修でよく使っている。
(マズローの段階欲求説、私のある企業研修で使ったもの)
このマズローの説の上2つに注目してもらいたい。上から2つ目は「自尊の欲求」と言って、人から認めてもらいたい、評価してもらいたいという欲求である。先に出てきたその評論を書いた人は、この自尊の欲求からのようだ。
もう一つ、一番上は「自己実現欲求」、こちらは能力を発揮したい、やりとげたい、という他人がどう言おうが、自分はこうしたいというものだ。の私の資格取得の欲求は、この一番上の自己実現欲求のものが多い。
人間の欲求には、段階があって、ある欲求が満たされたら、次の欲求が出てくる。従って、どちらの考えも間違ってはいない。しかし、この評論を書かれた方は、人の欲求は昇進昇格がすべて、と思ってるんだろうか、一面だけで考えないで欲しいな、というところだ。