この話は、十数年前の話だ。日本はODAとして最近まで中国を支援していた。私の業界も毎年、日中ガス技術セミナーとして、中国のガス事業者に都市ガスの技術を支援していた。
私の企業時代にもこの担当になった。私の担当は、ガスの「安定供給」、ガスの需要予測と製造、ガスホルダーを使った供給のしくみであった。上海のセミナー会場は中国全土から集まったガス事業者の方、当時は問題になっていなかった、ウルムチの方もいた。ウルムチは、新彊ウイグルの首都だ。
一通りの説明の後、質疑に入る。これが長い。私以外もそうだったが、質疑の時間が1時間もある。一人3問ほども質問する。このチャンスを逃がしたら、もう質問できないからだ。
その中で、沿海地区のガス事業者が、私の席に写真を持ってきて、この「白い霧」は何だと聞く。見るとLNG基地の製造設備付近で、白い霧が発生している。私も即答できないめ、控室で日本に電話し、知り合いの職場に聞いてみた。
すると、○○さん(私の名前)それは、めったにないことですが、LNGの漏れですよ。LNGは冷たいので、蒸発する際に周囲の水蒸気が凝縮するのですよ、と教えてくれた。さっそく、会場に行き、時間を貰って、そのことを説明した。質問者は納得したようだった。この「白い霧」、今は、都市ガス工業にしっかりと記載されている。私も受験対策講座で、話をしている。
(当時の写真、ブログに残っていた)
セミナーが終わり、懇親会も楽しかった。ウルムチさんはもういなかった。ある方が、黄鶴楼のラベルのたばこを吸ってるので、そこは、ウーハン(武漢)でしょう、と聞くと、喜んでくれた。今で言うと武漢は、新型ウイルス発祥の地である。あっという間に飲まされて、ホテルに帰ると、一同ダウンしてしまった。
中国のガス事業の発展のお役に立とうと、皆一生懸命だった。オフには、上海の観光もちょっとだけでき、これも楽しかった。
(当時の写真、ブログに残っていた)
あれから、17年が経つ。今はどうだろうか、日本のおかげ(私たちも少しだけ貢献している)で経済発展した、そのおつりが、日本のEEZにミサイルをぶち込んできた。報道では、EEZにミサイルが「落下」と言ってるが、落下ではない故意に「ぶち込んだ」のだ。
日本もアメリカも、中国を見誤った。良かれと思って行動したことが、やるせないね。これから中国、どうなっていくんだろうか、心配だね。