世界遺産の平泉を見学した。電動自転車で終日回る。世界遺産が5か所と、暫定リストが2か所だ。そして世界遺産センターも回る。所要4時間の自転車旅。
最初は、達谷の窟屋(たっこくのいわや)。平泉からちょっと離れてはいるが、一見の価値はある。京都の清水寺を模した岩山に建っている。また、仲良き男女は別々に参拝するようにと、昔からソーシャルディスタンスはあったんだな。
次は、世界遺産毛越寺。(もうつうじ)ここに一番来てみたかった。この庭園は、平安時代の寝殿造りの遺構だ。日本には寝殿造りの遺構は残っていない。平安時代の書き物とこの毛越寺だけだそうな。
当時の建物はすごかったんだろうと推定できる。「夏草や、兵どもが夢の跡」、芭蕉の句はここで読まれた。鑓水(やりみず)という、平安貴族の遊びの跡が発見された。流れに船を流して、受け取るまでに歌を詠むというやつだ。これにちなんで毎年5月には「曲水の宴」(ごくすいのえん)を催すそうだ。
そして、観自在王院跡、毛越寺と似たようなところだが、建物は現存しない。次は金鶏山(きんけいざん)、ここに登る観光客ははあまりいないらしい。標高百mに満たない山。我々は登山家、さっそく登頂した。草ぼうぼうで、石碑があるのみ、見通しもない。やれやれ。
そして、いよいよ中尊寺、こちらは過去にも参拝してるから、詳細は省略。
次は、無量光院跡、現在は池と礎石があるだけだが、ここには、宇治の平等院と同じ建物が立っていたそうだ。当時の建物の絵がある。すごい!
最後は。柳の御所跡、ここも世界遺産の暫定リストに載ってる。藤原家の官邸だった場所だ。広い、そして私邸の加羅の御所まで、道路と橋があったそうで、その跡が残っている。
平泉で行ける場所はだいたい回ったが、広大で、すごいの一言。藤原氏の繁栄の頃は、中尊寺、毛越寺、観自在王院、無量光院、柳の御所に加羅の御所と、まさに一大文化都市、文化の中心、平泉文化である。これが平安時代末期から鎌倉時代の初頭。誰か、当時をバーチャル・リアリティで再現してくれないかな。
日曜にあった世界遺産検定の1級、90問のうち1問が、毛越寺の開山は誰か、という問題だった。慈覚大師、これはわかったよ。