中四国合宿3日目。この日の午後はオリンピアンによる研修会があるので練習自体は1時間ちょっとしかできない。元々メニューは作らずに補強のみにする予定でした。
3泊4日で合宿をするとなるとなかなか難しくなります。ひたすら走る練習をするというのは不可能。いや、ひょっとしたらできるのかもしれませんが私は無理。そうなるとどこかで練習量の調整も必要になります。意識的にスパイクを履いて走る本数は減らしています。タータンが硬いのでそれだけでダメージが大きくなるかなと。普段からガンガン走っている選手にとってはそれほどでもないのかもしれません。こちらが余計な気遣いをしているだけの可能性もあります。女子だからもっと走ってもいけるという意見もあるのかもしれません。個人的には無理だと判断しています。
そのためこの日は午前中にある程度やりたいなと。アップは腹筋背筋をある程度やってマークを使ってアジリティトレーニング。終わってからはサブトラのバックストレートを使ってのハードル練習。股関節周りがガチガチだと言っていました。追い討ちをかけておこうと思ってその場でのハードル補強。これは股関節にかなりきます。ポイントになる部分がいくつかありますが。軸足が曲がらないようにしてしっかりと支える。ざっくりの補強ではなくて細かくやる。どこでもやっているかもしれませんが、正確にやる事で効果は高まります。
そこから地味にハードルドリル。3日間で複数回やっています。最初から細かい部分の指摘はできません。まずは動きに慣れるというのもあるので。抜き足の課題がどうしても克服できない。抜き足のドリルなどで両足が着いている選手が多い。いやいや、この動きをひたすらしたら見た目は良くなるかもしれないですが、リードがついたときには抜き足が空いているというのをやっておきたい。抜き足が寝てしまうのも避けたい。抜き足が前まで持って来れない要因。大きく回してしまうのも修正したい。やりたい動きはたくさんあります。本当に1ヶ月に1回でも2回でも細かくやる時間を与えてもらえるならその方が効果的です。それだけでビジネスになるのではないかなと思っています。今のところやりませんが。かなり悩んでいるところです。
話が少しそれましたが。ある適度の時間を使ってドリル系。そこからは最後実践的にハードルを跳ぼうという練習。シャトルハードルです。エンドレスリレーもシャトルハードルも好きな練習ではありません。個人的に指導するときには絶対にやりません。それに近いことはやりますが、質を下げてひたすら走るとかハードルを跳ぶというのに「価値」を感じないからです。これは指導する人それぞれだと思います。何が正解かは分かりませんが、私は「好んでやらない」というスタンスです。
だからやるシャトルハードルは「ヨンパのためのシャトルハードル」です。前日に行った歩数の切り替えの練習を応用して実施。グループを歩数によって3つに分けました。A.B.Cの3つ。Aは16歩と17歩、Bは17歩と18歩、Cは19歩と20歩のストライドでテープを貼って準備。BとCは狙いとするストライドで5歩ハードルで1往復して半分は6歩。Aは6歩と7歩。この歩数にもこだわりがあります。4歩ではスピード的な部分もあって上手く乗れません。走りの中での練習として位置付けるのであれば最初から6歩の方がスピードが出る。その分距離が長くなりますが。
選手に事前にテープを準備しておいてもらってシャトルハードルを始める前に距離を測って貼っておく。グループを3つに分けたので他のグループがやっている間がセット間の休憩。Bグループが8人、他の2つのグループが2人ずつ。往復なので半分行ったら他の人がハードルの位置をズラす。その繰り返しです。片道70mはあるのでそれなりの負荷。単純に往復するのではなく45秒くらいの休憩。回復してからスピードを出して走れるようにする。ヘロヘロでハードルを跳ぶだけの練習も必要なのかもしれませんが、私的にはやるだけ練習になるのは避けたい。だからシャトルハードルも変わった形でやります。
もちろん、有酸素系の負荷をかけたいというのであれば休みを短くして3歩でいけるくらいの距離で設定する方がいいと思います。歩数が増えると本当にちょこちょこ走ってしまってスピードレベルが落ちます。ここも考え方だと思います。疲れてきてからの逆足の練習にもなります。前日は「逆足を使う」ための練習。余裕がある中で意識的に逆足を使います。この日は「疲労感の中で逆足を使う」練習。目的が違います。
見ていると面白いですね。ある程度やっていく中で本当に動きがスムーズになっていきます。距離設定にこだわってやっているのもあって「狙い通りの練習」ができていました。本数的にも本人達が望むので少し増やしました。5セットか6セットやったと思います。ヘロヘロではないから動きの課題も克服できます。歩数を増やすのにちょこちょこにならずに全体を通じてのピッチアップもできる。
何人かの先生方が手伝ってくれたのもあって非常に効率よく練習ができました。単純に見て下さっている指導者も。他のパートに比べると面白くないメニューかもしれませんが、こちらの狙いに気づいてもらえるかどうか。ハードルの位置を変えたりメンバーを変えたり、歩数を変えたりという部分に気づいてもらったら面白い練習になると思います。
午後は各学校から2種目ずつ補強を提案してもらい実施。思ったよりも時間が余ったのでこちらでシャフト系の補強をやりました。シャフトトレーニング、やはりできません。これは丁寧にやっていきたいなと思う練習。上半身と下半身のタイミングを合わせながらやっていく。
この日は余裕を持ってバスに乗れました。戻ってから選手達とSOGOのデパ地下をフラフラ(笑)。私は戻って親しい指導者と部屋で反省会。
楽しい時間を過ごせていました。本当に。