kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

自分らしさ

2006-02-25 | Weblog
昨日冬季オリンピックの女子フィギュアで荒川選手が日本女子初の金メダルを獲得した。

前評判は高かったが今回のオリンピックでは評判と結果が一致しない状況が続いていた。まースノーボードなんかはマスコミが勝手に持ち上げていた部分が大きかったが…。スノーボードなんかは小さい頃から活躍していた選手達が中心で「競技者」としての意識は夏のオリンピックとはかなり違う感じを受けた。小学校くらいから「プロ」として活躍していた選手も大勢いて、スポンサーから契約金をもらいながら活動をしていた。でもね、実力としては「プロ」だったかもしれないがその「意識」としてはどうだっただろうか?壮行会でラップを歌ったり、レース前に奇声をあげる。結局、趣味の延長だったのではないだろうか。小さい頃からやっていていつの間にか力が付いていて、意識しなくても大会で良い成績が出せ、それを認められて「プロ」になる。意識して取り組まなくても「趣味」の延長線上に「プロ」があったのではないだろうか?(完全に言い当てているわけではなく、違う部分が多々あるのは分かっているがあえていわせてもらってます)技術は成長して来ていて世界のトップレベルだったとしても、それを支える心が備わっていなかったのではないだろうか?だから4年に1度の大会では力が出せなかったのではないかという気がする。どれだけ高いレベルであっても心が育っていなければ、意識がついてこなければ力は発揮できない。

荒川選手は大学卒業時にフィギュアを辞めようと思ったとあった。それが周りの雰囲気が辞めさせてくれないような状況だった。だから昨年は技術に心がついていかず思い通りのパフォーマンスができなかった。だから「自分らしさ」を取り戻すため練習場所を変え、コーチを変え、曲を変え自分自身を探し続けた。周りが決めたレールに沿って走り続けるのではなく自分で道を探したのである。

本番では得点にはつながらない「イナバウアー」(身体を反って滑る荒川選手のこだわり)を演技の中にとりいれた。探し続けた「自分らしさ」を見つけ、大舞台で表現した。自信を持って自分を出せたから結果が伴ったのではないか?もちろんそれだけが理由ではないが…。

マラソンの高橋尚子選手も同様。小出監督の元を離れあえて苦しい環境の中で「自分らしさ」を取り戻すために模索した。誰かに決められたものではなく自分で納得したものを信じて大事な舞台を迎えた。これが大きな差を生んだのではないか?

みなさんは「自分らしさ」って何か感じてますか?きっと誰にでもあるはず。競技だけじゃなくて色々な場面でその「自分らしさ」が出てくる。何年か前、ある人に「お前だけのもの、お前の色を出していく必要があるんだ」って言われたことがある。今なら自分の色を出せる気がする。kanekoにしかできない人との関わり方があって、それが自分を支えている。言葉ではうまく説明できないけど「kanekoらしさ」っていうのがある。それは一生懸命に取り組めることだったり、他の誰かのために力を出せることだったりする。

勘違いしたくないのは「自分らしさ」と「自分勝手」は違うってこと。なんでもかんでも自分の思い通りにやるのは「自分勝手」でしかない。やはりそこからは何も生まれない。自分で考えて「自分らしさ」を見つけることができればきっと人間は成長できる。

今はテスト週間。kanekoがつきっきりで練習をすることはありません。基本的に自主練習です。選手にとってはある程度自分で動ける、動かないといけない状況があるんですよ。それをどう感じるか。自分の感覚を磨くチャンスがあるんですよ。言われて強制的にレールを引かれてそれで練習をするのは簡単。でもそれで本当に強くなるのか?基本の確認や自分の課題を意識して取り組むチャンスが転がってるんですよ。そのことに自分自身で気付けているのか?自分の長所を伸ばすために自分の感覚を磨けるか?今は勉強をするために時間を確保されてるはず。しかし、24時間のうち1時間は身体を動かすことに時間を割くことがきっとできる(残り23時間は勉強できる?)。その中で自分を見つけて欲しい。kanekoに引かれたレールではない部分で自分らしさに気付いて欲しい。「本当に強くなりたい」と思うならこのことの意味がわかるはず。分からないのはきっと「考える」ことができないから。一番大事な部分です。

どんな条件であろうと自分を強くすることはできる。それに気付いて欲しい。

この時期を自分で乗り越えて強くなって欲しい。本物の力を身につけて下さい!
コメント (4)
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