久々に読書ができました。IHからの帰りの飛行機で読み始めて一昨日読み終えました。
「桐島、部活辞めるってよ」の作者であ朝井リョウの作品。図書室にあったので読もうと思っていたのですが時間が作れずに読めませんでした。千歳で文庫本があったので購入。時間が確保できる移動時間で読み進めました。
「正欲」です。何の話か知らないまま購入して読みました。これはかなり考えさせられれる作品でした。どこに正解があるのか導き出せない。何度も最初にある文章に戻って確認をする感じでした。詳しくはネタバレになるので書きません。
マイノリティ。多様性。ここに関してはずっと思うことがありました。「女性を守る」ことに関してはかなり言われます。逆に「男性を守る」ことに関してはほとんど触れられません。それっておかしくないか?LGBTQについて触れるのはずっとタブーとされてきました。それが「多様性を受容する」という流れになることである程度公にできるようになってきた。が、それ以外の「性癖」に関してはどうなのか。何が認められて何が認められないのか。
誰もが自分が「正しい」と思う視点で物事を語る。ほとんどのことが「多数決」で決まる。「〜らしく」という抽象的な概念の中で「役割」を求められる。「こうあるべき」という視点の中で「枠」に当てはめようとする。それが「正しい」と信じ切っているのでそれ以上でもそれ以下でもない。自分の考え方が「正しい」という思い込みがある。だからその「枠」の中に当てはまらないモノに関しては受け入れられなくなる。
自分のことに置き換えながら考えていきました。私は私であり続けなければいけない。それは私が思い込んでいるだけかもしれません。様々な欲求を持っている。その欲求の吐口がどこに向かうのか。何に関心があって何に関心がないのか。「〜であるべき」という多数決のような意見に押される。それが本当に「正しい」かどうか。
本当に考えさせられる。ここに対する価値観は正解が分からない。ぜひ読んでもらいたい。「多様性」や「マイノリティ」についてもう一度考えさせられる内容。私が普段から言っていること、書いていることも「正欲」を満たすためなのかもしれないなと思って。私にとって「正しい」は他者にとって「そうじゃない」ということなのかもしれない。
ぜひ読んでほしい。