碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

3月11日は、怒涛の「震災特番」DAYだった

2012年03月12日 | テレビ・ラジオ・メディア

クリスチャンとかなら教会にでも行くんだろうが、そうじゃないので、結局、午後2時46分に「黙とう」するためにだけ、東急線に乗車してきました。

この時間の3分前に、私が乗った電車は、「非常時の列車一斉停止訓練」という名目で駅に停車。

そして46分になった時に、「よろしければ黙とうを」という車内アナウンスが流れた。

一瞬、車内を見まわしたら、ほとんどの人が目を閉じました。

私も急いで帽子を取り、黙とう。

次の駅で降りて、好きなコーヒー屋さんで一休みし、また電車に乗って帰ってきました。




テレビについて言えば、仕事をしながら、朝からずっと、あちこちの震災特番を見ていた。

その結果、今、順不同かつ断片的に思い出す映像は・・・・

●みのもんたが被災地に、あの大パネルを持って行っていた。

●1年前に取材した被災者たちを訪ね、現在の様子を取材していた。

●木村太郎が復旧したという被災地の鉄道に乗っていた。

●1年前、視聴者が撮った映像の中で「津波から逃げていた人」を探し出し、インタビューしていた。

●アメリカ軍による「トモダチ作戦」のエピソードを紹介していた。

●長渕剛が被災地でずいぶん憤っていた。

・・・などなど、です。




こうなると、3月11日のテレビ東京の"通常”編成には、何かしら深い意味、もっと言えば独自の“見識”のようなものがあったのではないか、と思えてきたりして。

たとえば・・・

「ウチ(テレ東)は、3月11日であろうとなかろうと、震災や原発に関する新たな事実といった、伝えるべきことがあれば、いつでも伝えます。だから1年という区切りが存在するかのような、まるで震災も原発事故も終息したかのような、<いい話><今だから言える話><泣ける話>などを並べたイベント的な特番をこの日にやることは、あえてしないんですよ」

・・・とか。

まあ、本当のところはわかりませんが、各局の怒涛のごとき震災特番にやや疲れるたび、マラソンの給水ポイントのような感じでテレビ東京を訪問し、震災とは無関係な番組を眺め、少しホッとしたことを、正直に記しておきます(笑)。