あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

鎌倉八幡宮の「雪洞祭」をみて

2013-08-11 09:07:43 | Weblog

茫洋物見遊山記第134回&鎌倉ちょっと不思議な物語第291回



毎年鎌倉では、立秋の前日から9日までの間、鎌倉市内および近辺在住の文化人らの書画をぼんぼりに仕立て、約400点が展示されます。

その期間中、夏越祭・立秋祭・実朝祭がとり行われるのですが、夜間には雪洞(ぼんぼり)に灯りがともされ、境内が幻想的な雰囲気に包まれます。

いつもは所用に取り紛れて会場の鶴岡八幡宮を訪れることはできないのですが、今年はたまたま長男がケアホームに入所してくれたおかげで妻と次男の3人でそぞろ歩きながらあれやこれやの作品を見物することができました。

400点と言ってもその大半がきゃまくらゆかりの芸能人や自称他称文化人、有名人の悪戯書きの類ですが、中には北鎌倉在住の俳人前川佐重郎氏の俳句書き下ろしなども混じっていていわば玉石混淆の楽しさがあります。

最近亡くなられた日本画家の小泉淳作氏の作品がみられないのはまことに残念ですが、幸い1938年以降の作品は鶴岡文庫に収められ、今年は里見、永井龍男、土方定一、小倉遊亀、荻原井泉水などの物故者による昭和25年度分の雪洞を見ることができました。

鎌倉におもしろき趣向は数々あれど、盛夏の夜を彩る雪洞祭りこそその幽玄美の最たるものであらう。



青山の独り暮らしのマンションで骨とスープになりしモデルよ 蝶人
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