あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

ジョン・スタージェス監督の「墓石と決闘」をみて

2014-09-29 11:39:13 | Weblog


bowyow cine-archives vol.702

 1957年の「OK牧場の決斗」が気に入らないと同じジョン・スタージェスが10年後に撮り直した作品がこれだが、いきなりOK牧場の決闘から始まるので驚く。

 これが史実にもとづくワイアット・アープ(ジェームズ・ガーナー)とクラントン(ロバート・ライアン)一派の対決だというのだが、アープ兄弟3人と助っ人ドク・ホリディ(ジェイソン・ロバーズ)はクラントン・ファミリーとではなく、彼が雇った殺し屋たちと撃ち合い、彼らの幾人かを斃すのだが、悪役クランクトンたちはそれを高見の見物しているのだからまたビックリ。 

 その時アープの弟は片輪になり、その後もう一人の弟も暗殺されてしまい、頭にきた兄は、保安官バッジも糞食らえで復讐の一念はメラメラと燃え上がるのだが、その無理やり隠した真意を、あろうことかならず者歯医者のドク・ホリディにいさめられるのだから面白い。

 で、メキシコへ逃げたクランクトンを追うアープは、盟友が見守る中2人だけで運命の対決が行われ、アープが悪役をほふるという意外な結末になるのだが、全編にわたってジョン・スタージェスの名人芸が冴えまくり、これはもしかしたら彼の旧作やジョン・フォードの「荒野の決闘」を凌ぐ名作かもしれない。

 女性が誰一人出てこないのもユニーク。そう、この型破りの西部劇はアープとドクの愛の物語なのである。



なにゆえにアープとホリディはあんなに仲がいい2人はきっと同性愛者なんだよ 蝶人

 
コメント
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