音楽千夜一夜第421回
EMIを買収したワーナーから発売されたラフマニノフの8枚組CDを、安さにつられて買ってみました。
中心は、ラフマニノフの前奏曲、チェロソナタ、4つのピアノ協奏曲とパガニーニの主題によるラプソディなどを、新進気鋭のピアニスト、ルガンスキーとサカリ・オラマ指揮バーミンガム市響で、いずれも最新録音の最近演奏なんですが、これがちっとも面白くない。
ラフマニノフを演奏する時は、ピアノの一撃でもって、恋の予感で胸をワクワクさせなければならないのですが、この、指は廻るが糞真面目な男のピアノには、いくら聴いてもそれがない。
だいたいルガンスキーというロマンを感じさせない名前がよくない。改名して出直してこい。
あとは溝に捨てようと思ったら、なんと懐かしや!アンドレ・プレヴィン&ロンドン交響楽団の3つの交響曲と交響的舞曲、声楽入りのコーラルシンフォニー「鐘」がおまけについていました。
これはアシュケナージと入れたピアノ協奏曲ともども、若き日のプレヴィンの知る人ぞ知る名演。やっぱりラフマニノフはこうでなくっちゃ。
この節はラフマニノフ的ロマンチストは世界のどこにもいなくなった 蝶人