木村草太監修「ないとどうなる?日本国憲法3」を読んで
照る日曇る日 第2154回
3冊目のテーマは「平和主義」。これはお馴染みの第9条だけでなく、政府が戦争を始めようとしたとき、それに抗議する「第21条 表現の自由、集会の自由」、徴兵制を阻止する「第18条 苦役からの自由」や、戦争予算を成立させないための「第83条 国会の予算承認権」などの条文も含まれる。
本書ではもちろん集団的自衛権を否定しているが、第9条を素直に読めば個別的自衛権も認めてはいない。自衛のために必要最小限の軍事力を持つことは勝手な条文の解釈だと思う。かつては吉田茂でさえ個別的自衛権を否定していた。
憲法第9条はこの国に残された最後の夢と希望の光。これを生かすには即刻日米安保条約から離脱し、コスタリカなど非武装中立の国と同盟し、新しい政治的規範を確立するしかないだろう。
ミサイルで殺されることもなくぬくぬくと布団で寝られる今日の仕合わせ 蝶人