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照る日曇る日 第1153回
実際は「宮沢賢治の父」の話なのだけど、それを「銀河鉄道の父」と言われると、妙に気になって、ついつい手に取ってしまう。そおゆう意味では、近来稀なる名タイトルかも知れんて。
さて、どこまで本当なのか分からないけど、ここに出てくる賢治の父、宮沢政次郎は、息子に厳しそうにみえながら実際は甘アマで、夢見る文学青年の生き身と夢に終生寄り添ってやる優しい優しい父親で、井上ひさしの芝居なんかとは一風変わった印象である。
恐らくあまり資料がない中、それでも周辺記録を丹念拾い集め、それらをジグソウハズルのように貼り付けていく描き方であるために、記述はいちおう客観的に見えるが、宮沢家の人々の面影に対する著者の主体的な踏み込みが欠けるのは、致し方ないことかもしれない。
しかし、父、政次郎がいままさに賢治の妹トシの遺言を書きとろうとしたとき、賢治が無理やり2人の間に割って入り、トシの耳元に口を寄せて「南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経」と唱えるなどという「暴挙」をほんとうにしたのだろうか? 識者の教えを仰ぎたいところである。
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