闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2348~52
1)川島雄三監督の「風船」
1956年の日活映画。前半は脚本も演出も拙劣だが後半からだんだん調子が出てきてクライマックスで知的障害のある娘の芦川いずみが父の森雅之と京都の盆踊りで再会するところでは涙が出る。この2人とヒロインの新珠三千代は善人で息子の三橋達也とその恋人北原三枝、やり手婆のような二本柳寛は悪人という明快な位置づけ。
2)東陽一監督の「もう頬づえはつかない」
見延典子の原作を1979年に桃井かおり主演で映画化。昔からよくある男と女の話でどうということもない。
3)森谷司郎監督の「日本沈没」
いつ来てもおかしくない自身列島ニッポン。1973年のこの作品では祖国喪失者のアイデンチテイを問うているが、しかし今の内閣では誰一人安全に脱出できないだろうな。
4)大林宣彦監督の「ハウス」
監督初期1977年のホラーファンタジー。私の好きな鰐淵晴子も出ているし助監督はなんと小栗康平なんだけど、ちっっとも面白くなかったのは、音楽が大嫌いなゴダイゴのせいかな。
5)斎藤寅次郎監督の「東京キッド」
美空ひばりを巡るドタバタ喜劇だが、全然コメディになっていない1950年の駄作ずら。
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時は今悪政止めぬ代官に諸人挙りて千倍返し 蝶人