照る日曇る日 第2107回
本書の著者のゲルツェンは、1835年に「自分が出席すらしていなかった宴会の嫌疑で流刑!」にされてしまったが、何年も経ってからようやく監視下ながら言論活動が許されることになった。
ニコライ一世治下の帝政ロシアで西欧派の一員として「スラブ派」の論客たちと渡り合うわれらがゲルツェン選手!
その盟友のひとりがベリンスキーだが、ケッチエルとか、オガーリョフとか、グラノーフスキーとか、エウゲーニー・コルシとか、その名前さえ知らない数多くの思想家たちは、いまでは歴史の暗闇に消え去ってしまった。
いまをときめく右や左のあれやこれやの論客たちも、その言うやよしわるしといえども、間もなくくたばってしまい、哀しいかな誰からも忘れ去られてしまのだろう。
世直しを唱える権なき候補者がくわいくわくくわいくわくとうわごとをいう 蝶人