こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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病理診断科のこと(2)

2007年11月24日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
私は病理専門医。専門医制度というのは日本専門医認定制機構と連携する基本領域18学会が認定する、その領域のスペシャリストのことをいいます。私はそのうちの病理専門医。現在、病理専門医は日本国内に1900名あまり。
病理学会では経験をもとに受験資格を得た医師が、試験を受けて合否が決定されます。1ヶ月前のブログでも述べましたが、病理医が病理診断科という名前ではじめて病院の外の人にその存在を知らせることができるようになります。厚生労働省は標榜科を基本領域程度で収まらせたかったようですが、結局、いろんなサブスペシャリティーの学会の抵抗にあって、前より多くの科名が標榜されるようになってしまいました。
なにはさておき、この標榜科について、現在病理学会ではそのあり方についていろいろな議論がたたかわされています。そりゃそうですよね、これまで、病理医は縁の下の力持ちといわれて、患者さんの前には立てないでいました。
病理科の医師は患者さんの胃や大腸や皮膚や・・・全身の臓器から、外科や、内科や、整形外科や、脳外科や、皮膚科や・・・などありとあらゆる科の医師がとってきた病気の部分を診断します。普通の患者さんはその、外科や、内科や、整形外科や、脳外科や、皮膚科や・・・の医師が診断したと思っていますが、そうではありません。病理診断は医学的知識を有する医師がおこなう仕事で、機械でもできる、おしっこや大部分の血液の検査とは異なります。というわけで、病理診断という病気の種類を決める重要な仕事をわれわれはやってきました。
また、病気で亡くなった方の死亡の原因を調べる、解剖という仕事も、病理医がします。
まあ、こういったことを今後、どのように院外の一般の人に知らせていくかが、病理診断科が動き出していく際に考えなくてはいけないことなんです。