文章の締めくくりがすごいので、引用する。
『ブログは毎日、写真付きで更新しています。だからいつも目を光らせ、耳もそばだてて材料を探しています。ブログのおかげで私の老後は忙しく、目も頭も休む暇がなくなりました。』(朝日新聞 2005;3.28: 14)
すごい。77歳である。30年近くたって私はこの、こんきもを続けていられるか、とも思うが、そう長生きもできないと思うので、考えることはやめる。
さて、『ブログの書き方』、などというタイトルを出してみたが、これというのは私の勤務先で仲良くしている臨床の先生が、ブログを始めたいのだがどうしたらいいだろうか、言っていたので、つい、「私(コロ健)もブログやっていますよ」などと言ってしまい、なにか役に立つことがあればと思い、ここ1か月ほど悩んでいたところに先の投書を読んだ。
その先生は、自分の専門をテーマにしたブログを開設したい、と考えておられるそうだ。
去年の8月、『Facebook, Twitter または Blog 情報発信は何のため?』というタイトルの記事を書いたが、そのときに感じた、それぞれのツールの特長を私なりにご説明した。その先生もFacebookはずいぶん書き込んでおられて、仕事関係の記事も多い。だけど、友達はどうしても医療関係者が多くなるし、そういった人への活動の説明はしなくても、興味があれば先方からアプローチしてくる。
これに対してブログは広く一般の人への情報発信だ。
できれば、終始一貫したスタイルである方が、記事を読む方も安心だ。
このブログ(こんきも)は娘にちょっと意地悪して、そのことを反省して、『人にはやさしく、そして自分を幸せに』というので4年半前に始めた。こう振り返ってみると、いまだに、このスタイル、というかテーマは一貫している。
私がエントリーしている“にほんブログ村”と”人気ブログランキング”で、医者が書いているブログを見ると、スタイルは3つに大別できそうだ。
一つは、現場ネタ。これは、匿名化したノンフィクションがほとんどだ。
日々の診療の中で起こった話を紹介している。困った患者のことに始まり、医療政策についても言及している。
もう一つは、医療解説。専門分野についての紹介。外科、内科、耳鼻科、いろいろある。
残る一つは、日記ブログ。これは、まあ、書いているのが医者だというだけのはなしで、ほかのジャンルのブログと大差ない。
件の先生に勧めるならば、”医療解説ブログ”を、となる。医療解説に徹するならば、
名前も出して困っている患者さんへの周知にもなるだろう。でも、これだとあまり自分の考え、意見というものを出すことはできない。私でも、ときどき院内で、「先生のブログ、読んでますよ」とか、「こんきも、読んでますよ」などと言われると、少しばかりトーンを落とそうか、などと思ったりする。過激なブログではないが、同定しうる困った人のことに触れることがないわけではない。実名でのブログとなると、そのあたりが難しいだろう。
インターネット依存症について考えた時、最終的に『依存するか、さもなくば取り込んでしまうか』ということに行き着いたが、『ブログの書き方』を考えるということは、インターネットをどう利用するかということをあわせて考えていくことになりそうだ。指南とまではいかないけれど、ほんのわずかなブログ歴を振り返って、こんな風にやってます、と整理してみたい。