こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

ポジティブ ドットコム その2

2011年11月30日 | 妻の名言
”ポジティブ ドットコム”、わが家では久々の大ヒットとなり、というか、発案者である妻がとても喜んで、ホームページを本気で立ち上げようとしている。というのは、さておき・・・

朝、いつもの時間に目覚めると(といっても、夜中に一度は目が覚めている)、どっと今日の仕事の予定が頭をよぎる。

ルーチンの病理診断、迅速診断の予約、レジデントの指導、研究費の申請書の〆切、病理学会の抄録の〆切(明日)、明日のカンファレンスの準備、週末の学会の準備、論文の査読・・・次々と、いろんなことが頭に浮かんでくる。
こうなると、例のごとく、ネガティブ ドットコム

朝からため息とともに、「もう、ダメだ」。

などと呻いていたら、横にいてそれを聞いていた妻。

また、朝からネガティブね!
朝くらい、楽しいこと、前向きなこと、考えて、口にしなくちゃ!


と、言われた。

私のこと褒めるとか、ポジティブなことしてみたら?

まあ、どのようなことをするかは、私の勝手だが・・・

朝から、ネガティブなことを考えて、ため息をつくようなことはやめにして、朝は、楽しいこと、明るいことを考えるようにしてみよう。そして、それを口に出して言ってみよう!

そんなことが、こんきも へのスタートになるかな?


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最近、ちょっと傲慢なんじゃない?

2011年11月29日 | 日々思うこと、考えること
おととい、パンクしちゃいそう、などと言っていたのだが、上手にパンクすることもできず、状況はますます悪い方向にすすんでいる。

ここ1週間くらいか、まわりの人の顔色が気になる。なんとなく、以前と違う。世の中、自分が意識しているほどまわりは自分のことを考えちゃあいないんだと、思ったりもするが、ふと我に返ると、あの人にも、この人にも無礼をしているのではないか?
最近、ちょっと傲慢なんじゃない?と思う。
私自身がチームワークを壊している?もしかして、私が気がつくずっと前から?

もう、最悪。

自分が、忙しい忙しい、と思い上がって、それぞれの仕事に対してすこしずつズレを生じさせている。あれもこれもあれもこれも、といううちに、それぞれに関わる人をぞんざいに扱ってしまっていたかもしれない。

私はいい人、という前提で、思い上がっていなかったか?
そんな私の態度に、悲しい思いをした人はいなかったか?


相手の立場に立って考える、というのをいつも心がけていたはずだったのに、忘れてなかったかな?

こうやって、人間関係は崩れていく。
覆水盆に返らず、とはいえ、今からでも遅くはない(=今が、一番早い)。
反省して、明日から、少しでも丁寧に対応するようにしよう。

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大阪での出来事

2011年11月28日 | 日々思うこと、考えること

大阪市長選挙、大阪府知事選挙の結果は”政変”といいうるものなようだ。
ずいぶんな得票差だったことからは、大阪市民、大阪府民の選択といえる選挙結果だろう。

ここ10年の間に私たちも国政選挙で大きな選択をしてきた。
その結果が、今。

私たちの選択が、良かったのか、もっと良い選択があったのか、それとも悪い選択であったのか。
誰も決めることはできない。歴史が決めると言ってもそれぞれの人の価値観に基づいて決めるのであって、歴史に正解は存在しない。

人ごみの中でいつも思うことがある。

「ここにいるすべての人が、それぞれの思い、意見をもっている。」
゛民意゛といっても全ての人の意見が一致したものではない。
政治に正解は存在し得ない。それでも、政治家にはみなが幸せを感じることのできる社会を実現してもらいたい。
頑張れ、新市長、新府知事。


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パンクしちゃいそう!

2011年11月27日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
仕事を増やさないようにずいぶん努力しているのだが、もうダメ、というくらいになってきてしまった。

研究費の申請書。病理学会の抄録〆切。週末の学会発表のスライド。

このままでは、パンク。とは、いつもいっていることだけど、今度ばかりはやっぱりパンクしそう。

目の前にとてつもない量の仕事があると、現実逃避的に別のことをしてしまうが、私の場合、それもできない。逃げ場はなく、時間ばかりが確実に迫ってくる。
ただただ、呆然。

これは、ピンチだ。

はたして、昨日の包丁(『包丁は人生を切り拓く』)で、未来を切り拓くことができるか???

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包丁は人生を切り拓く

2011年11月26日 | 鎌倉暮らし


 家具・衣類の出し入れをしているうちに、あっというまに半日が過ぎ、やれやれというところで、妻とナイトと散歩に出かけた。

 鎌倉の紅葉はこれからが本番。先の台風で葉が落ちたとはいえ、思っていたよりは葉は残っていて、ちょうど良い色になってきている。気温もいい塩梅で、鎌倉アルプスを歩けば軽く汗ばんで、いい運動になりそうだ。というようなわけで、今日もものすごい人出。
 ナイトと一緒なので、なるべく裏道を選んで歩くが、若宮大路や小町通りを通るときは人ごみを横切ることになる。それでもナイトは私と妻の間に挟まれると、おとなしく上手に歩くので、なんとか人の迷惑にはならなかったように思う。

 歩くうちに、先日砥ぎから帰ってきた菜切り包丁を使ったか、と妻に尋ねられ、まだ使っていない、と答えると、とてもよく切れるようになったから早く試してくれ、と促された。

 この菜切り包丁は正宗工芸美術製作所作。正宗作の包丁は、菜切り包丁のほかに牛刀一丁を使っている。裏駅まで行ったので、足を延ばしてお店まで行った。ついでにショーウィンドーを覗いたら、使い勝手のよさそうなペティナイフがあった。我が家で10年来使っているペティナイフの切れ味がいま一つと、かねてより思っていたこともあり、妻に購入を相談した。なんといっても、ここの包丁類は値が張る。

 いいんじゃない、包丁は人生を切り拓くものだから。

 そんな言葉に後押しされて、1丁買った。

 買う時には、これで、正宗の包丁が3丁めでうれしいということと、菜切り包丁の砥ぎのお礼を言った。

 あなたの人生も拓けるといいわね、と妻。

 家に帰ってさっそく柿を切ったが、とてもよい切れ味で上手にできた。

 夕食にと連売で買った野菜は、件の菜切り包丁で切ることにする。


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お気に入りの紅葉

2011年11月25日 | 日々思うこと、考えること
暖かめの秋となった今年。
無事紅葉を見ることができるか心配だったが、どうやら大丈夫だった。

私の気に入っている紅葉の一つが、勤務先の病院近くの公園にあるこの木。
今年もみることができた。

駅を降りてから30分ほど歩き、やれやれやっと病院の建物が見えてきた、というところで、この木が迎えてくれる。大木というわけでもなく、春の新緑の季節を除けばさほど綺麗でもない。

そもそも、公園の駐車場の横にある、なんの変哲も無い木なのだが、今の季節のこの時間だけ、ちょうどいい加減に朝日が入ってきて照らされた、透き通るようなオレンジ色になるのだ。

とてもささやかな紅葉狩りではあるけれど、とても心が癒される。
今年も、ありがとう。

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博打で身代を潰す・・・遊んで金が儲かるということは絶対に無い

2011年11月24日 | いじめ飲酒とタバコとギャンブル
若い頃、賭け事にはまっていた。パチンコ、パチスロ、麻雀。私にとっては人生で最悪の時期だった。

某ティッシュメーカー製造会社の御曹司が、会社の金をつぎ込んでまで、博打に入れあげ、逮捕された。その額なんと100億円とか。御曹司、我が母校の隣のリーダー養成/エリート形成を校是とする名門校から文一へ進んだという、鬼(資産)に金棒(学歴)の人生を歩んできたとのこと。写真で見る限り、なかなかの男前でもある。

だが、その理想の人生を博打で棒に振ってしまった。
どれほど優秀であっても、このご時世、数十億の金、返しようがあるまい。

金融商品に手を出して負け。
ちょっと立ち寄ったカジノでボロ勝ち(ビギナーズラックもしくは、カジノの策略)。
あとは、ずぶずぶで、お決まりのコース。
最後は、これを親に見とがめられて、余計に金をつぎ込んだとか。

救いようが無い。

客が儲かるようではカジノは成り立たない。

私も、パチスロにはまっていた頃、ずいぶんと大勝ちしたことがあった(せいぜい、2、3度)。その時のことは今でもよく覚えているが、負けた時のこと(100回以上)はあまり覚えていない。
よくよく考えてみればいつも負けていたので、千円札が飛ぶように無くなっても、それがいつのことだったのか思い出せないだけだ。渋谷新宿新橋でちょっと時間があれば店に入って、2、3千円があっという間に消えていた。
賭け事のプラスマイナスはトータルゼロ、ぐらいに思って続けていたが、絶対にそんなことは無い。
客が儲かるようではパチンコ屋は成り立たない。結婚して、子供を持って、生活費というものが大切だということに気がついて、やらなくなった。

御曹司の人生、つくづく悲しいものだと思う。
アクセクして生きる必要も無かっただろうが、朝、会社に行って、一日実業に務め、夜、家族の待つ家に帰る。そんな生活ができていれば、幸せだったろう。

博打というのは、人間のサボリ癖を最大限に刺激する、ある種の麻薬。
遊びながら金が儲かるということは、絶対に無い。

あと、一度取った金を返してくれる人も、世の中にはいない。


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勤労感謝の日に感謝すること

2011年11月23日 | 妻の名言
今日、11月23日は勤労感謝の日。そもそもは新嘗祭として、農作物の収穫に感謝する農耕国家としてはとても大切な日である。

神事と重なるので、いろいろ意見もあるようだが、お米の収穫も終わり、一段落してやれやれお疲れさま、というタイミングは設定としてはちょうど良い。

さて、国民の祝日といっても、自転車操業の私にとってはこまごました仕事を片付けるのに絶好の日である。

どのみち仕事に出かけるわけだし、そもそも好きでやっている病理の仕事に行くのである、黙って出かければいいものを、例によって、ネガティブなことを口にしてしまった。
仕事の山、もう嫌になる」と、妻にぼやいたら、こっぴどく叱られた。

「仕事があるなんて幸せじゃない。
あなた、今度ハローワークに行ってご覧なさい、仕事が見つからなくて困っている人がどれほどいるか。新宿や上野あたりの公園に行ってご覧なさい、日雇いの仕事をもらいに集まっている人がどれほどいるか。
やるべき仕事があるあなたが、そんなことを言っていたらバチが当たるわよ」

失業率は4パーセント前後、高齢化の問題もあるが、生活保護受給世帯も過去最高となっている。

そうした中で、自ら選んだ仕事を、人に邪魔されること無く遂行できるということは、とても幸せなことなのだろう。
そもそも仕事ができる職場があるということが幸せなことだ。
津波で、田畑を失い、水揚げする漁港を失った人がいる。放射能汚染で避難させられた人もいる。
少々の腰痛と、老眼はあるが、いまのところまずまず健康である。

勤労感謝の日は、働ける幸せに感謝する日でもある。

出かけるときに、見送る妻に、
「じゃ、がんばってくるから」といったら、
「がんばらなくていいから」と、返され、送り出された。妻の支えにも感謝せねばならない。

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あの日の朝、私も丸ノ内線に乗っていた

2011年11月22日 | 日々思うこと、考えること

オウム真理教による組織的犯罪に対する一連の裁判が昨日で終結したそうだ。
実行犯のうちにはまだつかまっていないものもいるし、賠償の問題も遅々として進んでいないようだが・・・。

朝刊に、後遺症に苦しんでいる被害者の方の記事があった。
この事件に関連した記事を読むたびに、名状しがたい心持ちとなる。

あの日の朝、私も池袋発の丸ノ内線を使って通勤していた。勤務先の大学に着いたら大騒ぎになっていて、「先生、大丈夫でしたか?」と何人もの人に声をかけられたのを、今でも思い出す。

何かのタイミングで時間と車両が一致していれば、私が死んでいたかもしれないし、一命をとりとめていても重い後遺症に苦しんでいたかもしれない。
人の命や身体というのは、とてもはかなく軽い。
だから、人間はお互いを尊重しあって、手を取り合って生きていかなくてはいけない。
自分が生かされていることは、当たり前ではなく、偶然の産物に過ぎないことを、自覚すべきだ。
人は人を殺してはいけない。
これは、個人の信条のいかんに関わらないことだ。
理性をおかしな方向にねじ曲げ、自分の考えを正当化する。そういったことは、あってはならない。

個人レベルの殺人も、テロも、戦争も、起こしてはいけない。
いや、人を殺そうということを考えてもいけない。そう思うことが、私たちの努めだ。

なぜなら、そう考えること(殺意を持たないということ)は、とても難しいことだから。


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祝優勝 福岡ソフトバンクホークス

2011年11月21日 | スポーツ・健康・ダイエット


プロ野球の日本シリーズ第7戦が福岡ヤフードームで20日に行われ、福岡ソフトバンクホークスが中日ドラゴンズを3対0で破り、2003年以来の日本一に輝いた。ホークスとしての日本一は5度目とのこと、おめでとうございます。

私は、父が阪急ブレーブスの大ファンだったということもあって、パ・リーグファンだったのだが、野村監督時代の1973年の優勝のときにホークスファンになった。
プレーイングマネージャーという珍しい存在だった野村が率いるホークスには広瀬、門田といった印象に残る名選手も数多くいたように記憶している。

その後、長い冬の時代に突入し、対西武戦で西武ドームに行っても、対日ハム戦で東京ドームに行っても常に負け試合を応援していたような気がする。球場に足を運ばなくなってもビッグコミックオリジナルであぶさんとホークスをずっと応援していた。
球団がダイエーに身売りしたころから、少しずつ離れてしまい、プロ野球そのものをあまり観なくなってしまった。今のホークスには、南海ホークス時代の香りは無い。

今度の日本シリーズ、あまり観る機会は無かったのだが、それでもラジオとテレビで3試合ほど観戦した。思ったのは、両チームとも、とてもプロだったというか、玄人っぽかった。両チームとも、スタープレーヤーの集まりだが、いずれのチームの選手達も激しい競争にもまれてでてきたんだな、というのが、伝わってきた。だから、すべての試合がロースコアーだったが、とても引き締まったものになったように思う。選手、監督みなが、渋く、かっこ良かった。久しぶりに、これがプロ野球だ、という気がした。

戦後、日本人で三冠王をとったのは、野村、王、落合、松中と景浦安武。彼等がホークスとドラゴンズに深く関わり、様々な形で両チームを彩り、両リーグを引っ張ってきた選手(監督)達だということを思うと、この両チームが、今のメンバーで相まみえたことは、野球の神様からのとても素敵なプレゼントだと、私には思える。


温故知新・・・古い文献をあたってみて

2011年11月20日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと

人生場当たり的にのらりくらりとやってきた私、コロ健。
医者になってもその生き方に目立った変化はなく現在に至っている。とくに、学問的な分野となるとこれは顕著で、学生時代の試験の一夜漬けに始まり、いまは、学会・論文・原稿の自転車操業。それらを手掛けるにあたって、いったいいつ勉強しているのか?ということになる。通勤時間を論文読みに充てているが、それでも足りない。結局のところ、これまでの人生の蓄積の有無が響いてきたところ。

そんな私にとって、今度の某学会のテーマは救いだ(と勝手に思っている)。

温故知新

例によって、”出すだけ出そう”とおもって抄録を提出したのだが、学会が近くなってきて文献を集め始めたら・・・どれも、とっくに調べられていた。ちょうど、私が医者になったころに、すでに立派な論文が出ていた。

私にとってはよくあることだが、こうしょっちゅうだと、情けなくなる。


さて、温故知新というテーマ、病理医としてどう扱うか。
臨床半分の学会なので、病理医は違った視点から病理医なりのことを言わなけれあばいけないと思っている。
というわけで、ここのところ、発生学の本を読むところから始め、件の20年以上前の論文を読み、さらにその孫引きで50年前の論文を読み、と、少し歴史を振り返ってみることができた。

なんで、何にも知らなかったんだろうとおもえて、余計情けなくなった。

100年以上前に提唱されていた疾患概念でもいまだ詳細が不明なものは多くある。治療法はあるものの、それは結果を修正しているだけで、原因を正さなくては仕方がない。

と、いうようなわけで、発表は師走に入っての12月3日。あと2週間を切ってしまった。
本番の演説の時に、「今回のテーマは温故知新ということで、私も病理の立場から・・・」なんて、余裕綽々で話を切り出せるといいのだが(というか、口上はこれに決めた!!)。


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悪口を言ってはならない・・・

2011年11月19日 | 生き方について考える

再掲になってしまうが、先日、日光東照宮を訪ねて、三猿をみた



諸説あるらしいが、この”見ざる聞かざる言わざる”というのは、若い人が悪しきものを見たり、聞いたりせず、また悪口をきいてはならない、といった教育的な話らしい。

他人のうわさ話というのは、えてして面白い。いろんなうわさ話をされるのが、芸能人。
私の知り合いで「芸能人というのはゴシップも売り物のひとつだから」と言っていた人がいた。まあ、芸能人もピンからキリだし、範囲はどこからどこまでか、よくわからない。いずれにせよ、ゴシップ記事というのは、『芸能人』という存在をおもしろおかしくあげつらって楽しむものに過ぎないし、それで売れるからと喜ぶ芸能人だって少なくない。


ところが、同じうわさ話でも身近な人が話題となると、様相はやや異なる。
『これは悪口ではなく、うわさ話』といっても、境界はあいまいだ。
人のことについて、あれこれいう時は注意深く話す必要がある。
注意深くとは何か?といっても、仮に、人のことをとても褒めていたとしても、褒めている自分が“良い人間”を演じるためだけに褒めている可能性すらある。
よく知りもしない他人様のことを軽々に論じてはならない。

さて、なぜ、「悪口をいってはならないか」。

私は、残念ながら時々人のことを悪く言うことがある。
それなりに、多くの人と接してきてのことなので、客観性は担保されているとは思うが、それでも悪口、というか冷やかしのようなうわさ話をしてしまうことがある。言っている自分はそのとき、暗黒面が口がポッカリ開いているように思えて、嫌な気持ちになる。


私の妻は人の悪口を言わない。
妻以外でも、ポジティブ思考の人で人の悪口を言う人は少ないように思う。もちろん、自分のことも卑下したりしない。
一方、ちょっとネガティブなのが入っている人は、時々悪口を言ったりするし、全くネガティブ思考の人は、しょっちゅう、というか、四六時中人の悪口を言っている。我が身を振り返ると、時々言っている、わけで、それ相応のネガティブ人間。ということになる。
ネガティブ思考はだめ、という訳ではないが、慎重にポジティブに生きる、ほうが良さそうに思う。だから、うわさ話を含め、人の悪口、人のことをあれこれ言うこと、というのはなるべくしない方が良い。なるべくというのであれば、いっそのこと、全くしない方が、良いに決まっている。

こんな気持ちでいられたら、というのは、どんな気持ちか、と、いつも考えているが、その答えの一つに近づく方法が、「悪口を言ってはならない」ということかもしれない。




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TPP(環太平洋パートナーシップ協定)と医療・・・病理はどうなる?

2011年11月18日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと

秋の病理学会に参加した(2日目だけ)。
委員会の会合があったので、行ったようなものだったのだが、昼休みの開催だったので、ついでに前後のA演説とシンポジウムを聴講した。

2日目のシンポジウムのテーマは「分子標的治療時代における病理診断の対応」

個別医療化が鮮明となり、病理もその診断に無縁ではいられなくなってきた。

これに、TPPがかかわる。
「これまでは研究レベルだったけど、これからは診療」

これまでの病理診断は、”腫瘍がみつかり、手術で切除”
これを病理医が診断する。

この腫瘍は良性か悪性か。悪性腫瘍としてどのような性格のものか?すごく悪いのか、ちょっとだけ悪いのか。追加の治療が必要かどうか、などをこの辺りの情報で決定していた。
ところが、免疫染色を応用した遺伝子診断が重要な役割を担うようになってきた。
この腫瘍はどんな腫瘍か?というのを遺伝子レベルで診断するようになる。
そして、その遺伝子に特異的な治療を行う・・・分子標的治療。

効果のない分子標的治療を行うことを避けるには、これを確実に診断しなくてはいけない。
さて、ここまでは、病理医の仕事が増える、ということなのだが、TPPが導入されたらどうなるか。
腫瘍の遺伝子診断がすべての人に行えるか?ということになる。
遺伝子診断のほとんどは研究レベルで行われてきたが、今後は定められたキットを使ったきちんとした診療行為となる。
TPPに参加したら、『これは研究です』といっては特許をたくさん取っているアメリカは黙っている訳が無い。
これまで特許を無視しての行為も鷹揚に見逃してきたアメリカが、これからは外国からもきちんととろう、と、アメリカの真意はこういうことかもしれない。

さて、その正式な診断には数十万のお金が必要になる。お金に余裕のある人は自分の腫瘍の質的診断に加え、遺伝子診断を行い、より適切な治療を行うことができるようになる。不要な治療も減って、副作用も最小限に食い止めることができる。だが、このような検査を行うことができない人は、質的診断まではこれまでの公的保険で行うことができるが、遺伝子診断は・・・?

混合診療の問題は病理診断の領域にも及んでいるということだ。

世間ではTPPに関する議論がかまびすしいが、私たち病理医もどういうスタンスをとっていくべきか。一人一人、しっかり考えなければいけない。
”症例集めのための、善意の診断”というのは難しくなるに違いない。


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忘れてたわけではなくて

2011年11月17日 | 犬との暮らし

わが家では、マルチーズのコロとフラットコーテッドレトリバーのナイトの二匹の犬を飼っている
ナイトは、1歳半を過ぎ、体格もしっかりしてきた。

どうしても存在感も大きくなってきた(最初からか?)。
しつけの成果もあってか、散歩も楽しくできる。


ナイトに比べると、4歳になるコロは、大きめのマルチーズではあるが、とても小さい。

大型犬のフラットコーテッドレトリバーと超小型犬のマルチーズでは比べること自体、あまり意味が無いのだが、やっぱり小さい。
だが、コロはとても気が強く、ナイトが家の中に乱入してくると、吠えつくばかりでなく、最近では飛びかかって、阻止しようとする。
これに対して、ナイトは、(せめてじゃれてあげればいいのに)馬耳東風という感じで、全く相手にしない。
 
先日、久しぶりにコロと散歩に行った。とても楽だ。ナイトの時のようにリードを両手で持つような場面は無い。

コロは、尻尾をたくさん振って、とても楽しそうに私と歩いてくれた。
ナイトが来て以来、寂しい思いをさせていたのかな?と、少し、申し訳なくなった。
所詮、犬の気持ちなど人間にわかるわけはないのだが。
「また、散歩いこうね、コロちゃん」つい、こう言いたくなってしまった。


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あきれたレジデント・・・君のような医者は絶対に伸びない

2011年11月16日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
ポジティブなことを考えようと思っていたのだが、この時期、例によってサイアクの気持ちに突き落とされる。

学会用の写真の依頼。

2、3年目のレジデントがいきなり、鏡検室に押し入ってきて(もしくはいきなり院内PHSで)、依頼してくる。
「今度学会で、病理写真を出したいんですが、お願いできますか?」

『ふざけるな。病理医は無料の自販機ではない。』
と、心の底で暗くつぶやく。

だいたい私は共同演者でもなんでもないし、おまけに発表は今週末とか・・・

もちろん、私は診断中であり、直前までとっていた所見に関する考察は雲散霧消してしまう。
また、一から診断し直しである。
「あんたら、自分で標本見てから発表しろよ」
肉芽組織をみて、炎症細胞も、線維芽細胞も、血管内皮も、なんにもわからず、なにを人に説明するの?

もし、この記事を読んでいる、30歳前後の若い臨床の先生がいたら、自覚して欲しい。
学会発表をしようというようであれば、組織標本は、まず、自分でみなさい。
わかるまで、とはいわないけど、病理診断書に10個キーワードが書いてあるとすれば、そのうちの1つか2つくらいはわかるように努力しなさい。
あなたが知らないだけです。
(外科とか産科とかでも)頑張る人は、一生懸命時間を作って頑張っています。



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