鎌倉には蛍の生息地がいくつかある。私の家の近くにもそんな小川があって、毎年少なくとも一度は犬の散歩がてら蛍狩りに行く。
今年も蛍が飛びはじめたというので、仕事帰りに見に行った。子供たちが小さかった頃は連れ立って何度も行ったものだが、今では声をかけても親についてくることはない。「今年はどう?」なんて、帰宅したあとに私たちの報告を聞いてくるのが関の山だ。
橋の上から川を覗き込むと蛍が何匹も見える。一目10匹ぐらいは飛んでいるようだ。近くの道まで出てきているのもいる。
それに、平塚の方に住んでいる職場の同僚も言っていたが、あっちでも蛍が出てきたようだ。今年の蛍は気が早いようだ。
気候変動のせいか、たまたまか、それはわからない。
橋に行くと、近所の親子連れがたくさんいる。ああ、こんな頃もあったな、などと昔を懐かしんだりするが、それが、息子を連れてきたときのことか、娘を連れてきたときのことか、二人一緒に連れてきたときのことか、思い出すことができない。子どもが成長するのは早いし、親が年を取るのはもっと早い。
どんな水が甘いのか