「地震のとき、どこにいた?」と娘に聞かれた。私は都内にいて、車の運転中だった。JRの駅前の信号待ちをしていたら車が揺れているのに気がついた。「あ、地震だ」と思って外を見ても、歩いている人は気がついていないのだろうか、みんな平静に見える。FM放送はクラシックを流しつづけていた。AMにしたら地震速報が流れていて、確認できた。
小笠原を震源とする地震だが、津波の心配は無いということでホッとした。娘が通っている塾は海抜の低いところにあるので、地震がきたらどうしようといつも心配しているからだ。
昨日の地震、震源が地中とても深かったために、程度の差こそあれ日本列島、北から南まで揺れたみたいだ。日本中どこにいても地震からは逃れられないということを悟らされた。
東日本大震災までの数年、日本には地震が少なかったことが不思議だったというようなことをいう地震学者も多い。いまやすべての地殻が連動して動き始めているようだ。映画だったらこの状況をことさら強調して観ているものを不安に陥れるのだろうが、現実世界ではどうしようもないのでそのようなことはしない。
いつの間にか、摩天楼よろしく高層ビルがニョキニョキ建っているのを見ると、日本は地震に対して安全というような錯覚に陥ってしまう。たしかに技術力で少々の地震では建物は倒れないが、火山の噴火や津波にはさすがに勝てまい。一昔前は、地震、雷に対する一種の諦めのような感覚があったが、今はみんなそれを忘れている。
今一度、そういう国土で暮らしているということを自覚して、防衛論議よりも防災論議を考える国になってほしいと思うのだが。どうだろう。