朝がやってきた。穏やかな朝だ。朝日は、生きる力を皆に与えてくれる。
私は、今月いっぱいで退職する。
大学病院に異動してきて2年半、長かったようでも短かったようでもある。会社勤めの人からみたら随分短いスパンでの異動と思うかもしれない。医者だと異動が多いというわけではなく、私の父など40年以上ずっと同じ施設に勤めたが、私のように今度で6ヶ所め、なんていう人も少なくない。
昨日、退職の手続きが完了し、終業後に送別会を開いていただいた。サプライズは参加してくださった人、お一人ずつから言葉をいただいたことで、ありがたかった。
若手(といっても、10年目)の先生からは、私のスペシャリティーについてもっと教わりたかったとか、この病院に誘ってくれてありがたかったとか。中堅の先生からは、実のところ、私のことを頼りにしてくれていたとか、今度の異動は私にとってよかったから、(居なくなるのは大変だけど)祝福してくれるとか。
技師さんからも、私のことを頼りにしていた、私に指導してもらってよかった、一緒に飲んだことも楽しかったと言ってもらえた。デートをしていたらバッタリ会って、なんて思い出話もしてくれた。話しているうち、涙ぐんでしまう人までいたりして、どれほど私が、私のことを温かく見守ってくれる人に囲まれていたのかと今更ながら知った。私への贈る言葉を締めくくってくれた教授も、(戦力ダウンは痛いけど)私にとってはいい異動だから、ぜひ新天地で頑張ってほしいと励ましてくれた。
この職場は本当にいい人揃いで、いただいた言葉は録音しておきたかったほどだったけど、心に刻むことにした(そしてそのことを忘れぬ様に、このブログにも)。
そんな職場を離れるのは残念だけど、私は残りの病理医人生を費やすに値する場所から呼んでいただき、そこへ行くことにした。
本当の私が、そんなにいい人間ではないということは、このブログの読者の方ならよくわかているだろう。私自身、いつまでたっても大したことのない人間だろうと思うけど、少しずつでもいい人間になっていきたい。かけていただいた言葉を単なるお世辞だと思う必要はない。人が口にした言葉は、その瞬間からみな真実となる。いただいた言葉は額面通り、素直に受け取り、これから先の人生の糧として生きていきたい。
ありがとうございました、これからもよろしく!
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