少子化対策を、子供のいる人への偏った優遇措置だという人がいる。
少子化の第一の問題は労働者、消費者人口が減っていくことだと思うが、それ以上に社会の成熟が遅れていくことになると思う。
幸運にも子供を授かり、育てる機会を得ると、子育てを通じて人間の成長に触れ、社会の仕組みにも触れることができる。
生老病死という、人の命のリレーを経験することになる。
したがって、子育ては、自分を育てることになる。
子供は自分たちが授かったもの、と私は考えていた。
しかしながら、子供は神様から”たまたま”自分たちが”あずかった”存在だと妻に教わった。
そう、考えると、子供は社会全体で育てるべき存在であり、少子化対策は社会全体が考えることだ。
老人医療も大切だが、子育て支援はもっと大切だ。
子供を産み育てている人に、社会共有の宝である、子供を育ててもらうための支援をするのは当然だ。
年を取ったら、自分たちも楽しみたい、というお年寄りは多いし、私もあと、30年もたてば、そうも言いたくなるかもしれないが、社会全体が貧乏になりつつある現状では、お年寄りの健康を守るのはいいが、楽しむのは少し我慢しないと行けないのではないかと思う。
実際、そんなに楽しんでいる人は、数的には少ないかもしれないが、贅沢をしている人の数は結構いるようにも思える。
子育てに金がかかる、というのはおかしな話だが、我が家でもとくに学費、稽古ごと、食費にお金がかかっている。
子供には分け隔てなく、いろいろなことを経験させ、ポテンシャルを開花させるチャンスを与えてあげたい。
そして、腹一杯食べさせてやりたい、と思うが、なかなか簡単にはいかない。