こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

”利便性の低下”ってなんだろう

2020年10月22日 | 日々思うこと、考えること
一気に寒くなるかと思っていたが、秋はなんとか踏みとどまってくれている。今年の秋は一日二日は好天で、そのあと同じぐらい天気がぐずつく、というようなことを繰り返しながら、深まっていくようだ。秋台風が来ないというのもありがたい。今週末の天気はまた上向くということで、それを励みとして明日一日頑張ろう。それにしても昨日今日と忙しく、いつの間にか終業時刻。ここだけの話、私のしょぼいオツムでこの病院を支えていくことができるかと不安になる。

鉄道各社が終電の時刻を早めるということが話題になっている。私も忘年会シーズンともなれば、新宿からなら何時に品川に着く、というように横須賀線への接続最終の時間が頭に入っていた。東海道線が追いつく時間も。それでもそれに乗りそびれたら、今度は神奈川方面の深夜バスが新橋から何時というところまで考えて飲んでいた。というか、こういったことが体に染み付いていた。(ほんの)昨年の忘年会では確か終電近くの電車で帰った覚えがある。なんでそうまでして宴会で大騒ぎして、さらにカラオケで大声で歌っていたのかよく分からないが、楽しかったのは間違いないし、そういう機会があればまた同じようなことをしてしまう可能性は低くない。

ところが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のおかげで全ては一変。都内のJRは夜9時を過ぎたらもう、ずいぶん空いている。もっと遅い時間の電車がどうなっているのか知る由も無いが、おそらくガラガラなんじゃないか。コロナ禍以前から保線作業のための時間確保のために終電時刻の繰り上げというのは検討されていたそうなので、今の事態はある意味渡りに船といったところだろう。夜オフィスで仕事をしなくてはいけないという人は、どんどん減っていくだろう。役人が率先してそういうことをやめるべきだ。新大臣を迎えるために夜中に登庁した文科省の役人に呆れた河野太郎(行政改革・規制改革担当相)は極めてまともだ。
今日の朝日の朝刊にJRの終電時刻が早まることが”利用者の利便性の低下につながる可能性がある”、とあったが、”利便性の低下”とはなんなのだろう。この記事を書いた記者は自分の利便性のことを言っていたのだろうか。

それこそ、保線作業をしている人、夜中に鉄道を走らせている運転手、車掌、駅員。鉄道だけではなく、コンビニも営業時間を短くすることを検討しているというが、そもそも7時から11時まで営業するというので驚いたし、それでも夜中は配送も行なっているというから、夜中にも十分働いている。それにもかかわらず、ありとあらゆる余剰時間を切り詰めて効率化を図り、顧客の満足度を高めるためにやってきたのがここ数年の社会だがそれは、すべての人にとって幸せなものだったのだろうか。

みんなで一緒に歩んできた道なのだから、引き返すこともできるだろう。企業が利益ばかりを求めず、利用者に還元するということを考えたらそれはそれで”ゆとり”という新しい価値がもたらされる。適正な価値観を新たに見出して、肥大化し過ぎたすべてのサービスを縮小することは決して社会の成長を妨げるものではない。
不便を我慢でなく当たり前に

ブログランキング・にほんブログ村へお願いします






最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。