
花散らしの雨は昨日より一層強く、寒さもあっていつものベランダからの写真は撮り損ねた(このため写真はまたもや比企ヶ谷の妙本寺)。雨は一日中降り続けるとの予報。桜もあらかた散ってしまうだろうが、花を惜しむこともまた桜の楽しみ方ではある。近づいて枝を見ると新芽が出始めていてつい先日まで眠っていた木々が季節の移り変わりとともに目覚めるということの不思議さを実感する。花冷えは今日までで明日からは暖かくなり、5月の連休過ぎまでの気持ちの良い季節が始まるようだ。

ウクライナは首都のある北部キーウ州を奪還したとのことだが、これはロシア軍が撤退(転進?)したせいなので、軍事的にウクライナが優位に立ったということではないだろう。それよりも北部地方に化学兵器、生物兵器を使用するためにロシア軍を引き上げさせたなんてことでなければいいがと危惧する。
NHKほかテレビ各局では解放された街に横たわる遺体が放映されている。モザイク越しとはいえ、つい数ヶ月前までは平和に暮らしていた人々が殺戮されたという事実がそこにある。誰が見てもロシア軍による虐殺行為だが、ロシアではこれをウクライナ軍に行為と主張しているそうだ。東部の戦線ではロシア軍が地元住民を”救助”しているという映像もあった。実際にその場に行って、殺戮を目撃したわけではないのでなんともいえないが、ロシアの歴史・・・権力者による拷問、虐殺、シベリア送り・・・を思うとその言い分を信じることは容易ではない。いずれにせよ国内外いずれに対してもプロパガンダはもうやめて、とにかく戦闘だけはよしてほしい。”司直の判断を受ける勇気を”を言い換え、”国際社会の判断を受け入れる勇気を”といってもロシアには通じないだろうが、停戦が1日も早く実現することを祈るばかりだ。
朝日の朝刊には、今回の岸田政権の動きについても報じられていた。今後の日露関係をどうしていくかということで、逡巡があったようだが、結局は欧米諸国と足並みをそろえて経済制裁を行い、防弾チョッキを送った。日本はG7の一員であるということを世界に向けて示し、少なくとも中国よりも世界に貢献する国であると認識されただろう。しかしながら、多くの日本人が、日露間の平和条約締結への道がほぼ閉ざされ、北方領土が話し合いで返還されることはないと実感しただろうし、北海道の防衛を真剣に考えることにもなった。
それにしてもロシアは、国連総会で自国を支持する国がベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、シリアだけだったことを、国民に向けてどう説明するのだろう。四面楚歌であることなど都合が悪いからこれも報道されないのかもしれないが、”まとも”な知性を有する人であれば国際社会による自国の評価を知りたいに違いないはずだ。
ロシアによるウクライナ侵攻は、ウクライナの人に深刻な人道的被害をもたらしているが、同時に世界中の少なくない数の人の心を蝕んでいる。西欧諸国は来月ロシアが出すという勝利宣言後の戦後処理に向けて動き出すだろうが、それまでまだ1ヶ月もある。無差別爆撃が行われるたびに人が死に、遺体の下に隠された地雷によってさらに殺傷される人もいる。ロシアがこの地上にもたらしたのは地獄の風景以外のなにものでもない。繰り返しになるが、一日、いや一刻も早く停戦、終戦を実現してほしい。
英雄になど誰もなれない