文化年間、七代目成田屋(市川団十郎)の初演ものを三代目猿之助が…
「伊達の十役」の正式な演目は、『慙紅葉汗顔見勢、伊達の十役』(はじもみじあせのかおみせ・だてのじゅうやく)と言います。
「恥も外聞も無く、顔を紅葉のように真っ赤にして、汗だくで、十役を早替りで演じる」と言う意味の「伊達の十役」。
「伊達の十役」は、四世鶴屋南北の作品。
文化12(1815)年7月、七代目市川団十郎が演じたものを、三代目猿之助が、現代式に分かりやすく復活させた作品です。
近年、市川の流れを汲む、成田屋の十一代目市川海老蔵、高麗屋の、七代目市川染五郎改め十代目松本幸四郎、澤瀉屋(おもだかや)の四代目市川猿之助に、この作品伝承のためのバトンを渡しました。
七代目団十郎の「伊達の十役」を、成田屋につながる次世代の三名の若手俳優に里帰りさせたと考えるのが自然でしょう。
前夜は、博多の街でお食事会
明日は、高麗屋、十代目松本幸四郎丈が演じる「伊達の十役」を観劇します。
今日は歌舞伎好きの皆さんで、食事を楽しみました。
明日11時には、当日参加の皆さんと、博多座正面で合流して入ることになっています。
6月、博多座大歌舞伎/楽しみな高麗屋さんの「伊達の十役」
高麗屋・親子三代の襲名披露公演、昼の部の「伊達の十役」は、過去にも三代目・市川猿之助丈、四代目・市川猿之助丈と観てきました。
今回は、十代目・松本幸四郎丈の「伊達の十役」。
もともと、三代目猿之助が、復活させたもので、市川海老蔵、市川染五郎、市川猿之助に伝えたものだと思います。
思いで深い、三代目・猿之助丈の「伊達の十役」
楽屋で猿之助丈(三代目)に、「もう一度、『伊達の十役』を観たい」と申し上げたら、「あれは若いから出来る、今の私には無理ですヨ」と言われたのを思い出します。
それほど、役者にとってはハード、観客にとってはスリリングで面白い出し物なのです。
善悪十役を、十代目幸四郎丈が演じ、早代わり50回、宙乗りもあると言うのですから、歌舞伎ファンならずともたまりません。
今日は、明日の観劇のために、宮崎・鹿児島から、新幹線やバスに乗って博多に集まります。