きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

安斎育郎さんと考える放射能汚染⑧ 米、肉、魚、野菜の除染法

2011-09-19 22:04:57 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
安斎育郎さんと考える放射能汚染⑧
米、肉、魚、野菜の除染法


 今回は放射性物質を体内に取り込んで起きる内部被ばくから身を守る方法です。水や食品の摂取で放射性物質が体の中に入ってきた場合、前号で紹介した外部被ばく防護の3原則(遮蔽=しゃへい・距離・時間)はどれも当てはまりません。
 内部被ばくを防ぐには、①放射性物質をできるだけ体に取り込まないようにする②体の中に取り込んだ放射性物質はできるだけ早く排出する―の二つの方法しかありません。
 体への取り込みを防ぐには、何よりも大気や水、食品の汚染を防ぐことが大事です。そのうえで、汚染された食品の摂取を必要に応じて制限することも有効です。放射性物質を飲み込んでしまった場合には胃の洗浄という方法もありますが、事故の現場でもない限り、このような措置はとられないでしょう。吸いこんだ放射性物質を体外に排出する肺の洗浄や、骨などに入りこんだ放射性物質を、キレート剤と呼ばれる薬剤で排出を促すといった方法もあります。ただし、いずれも専門医の管理のもとに行うべきもので、一般的ではありません。いったん体内汚染が起こるとなかなかやっかいなのです。





実態をつかもう
 食品汚染についてはまず、汚染の実態をよくつかむことが大事です。農産物や肉類、魚介類の汚染が進行していますから、国やそれぞれの生産県の自治体が、実態の把握と対策に役割を発揮する必要があります。全頭検査などしっかりした検査体制をととのえることが前提になります。
 さらに、最後の砦(とりで)である消費者自らが、科学者と協力して、自主的な監視活動を展開することも大切です。
 私たちが毎日食べている食品には、自然界に存在する自然放射能のカリウム40が1キログラムあたり数十~数百ベクレル含まれています。ですから、セシウム137などによる汚染も、少しでもあったらイヤだという原則的立場は大切ですが、食品中の放射能をゼロにすることはできないのです。
 それでも、放射線はなるべく被ばくしないほうが良いという原則に照らして、より安全な食品を求める消費者の立場に立って考えることを提案したいと思います。
 あわせて、消費者の不安をなくすためにも、その時点で市場に供給されている食品の放射能汚染の概要を知らせることが大切だと思います。汚染状況がおおまかにでも公表されれば、消費者は少しでも汚染の少ない産品を入手する選択権を行使することができます。
 汚染食品や体内摂取にともなうリスク(危険)を評価する際には、実際の危険以上に放射能を恐れるのではなく、科学的な評価結果を踏まえることが大事です。それでもなお不安があるなら、私も含め、放射線の専門家に聞いてください。
 食品の放射能汚染への関心を持続させ、食品の供給者との間に好ましい緊張関係を保つことも求められます。これは、消費者が放射能汚染を厳しく監視していることをわからせることによって、高濃度の汚染を承知の上で、市場に供給するような行為を抑止する姿勢を保とうということです。

ネツトでも紹介
 食品汚染への対応ですが、調理や加工によって汚染を軽減する方法についても、政府は周知徹底させるべきだったと私は考えています。詳しくは国内外の研究結果を集めた『食品の調理・加工による放射性核種の除去率』(現名称・財団法人原子力環境整備促進・資金管理センター、1994年刊)に紹介されていて、インターネットでも見られます。
 まずは多くの人が心配しているコメです。ストロンチウム90は、もみがらの分離(脱穀)によって半減し、そこからさらに玄米を精米して白米にすることで60%が除去されるとのべられています。白米は、さらにとぐことでストロンチウム90の半分が除去されます。セシウム137も、精米過程で約65%が除去されると示唆されています。
 蒸留したブランデーはほとんど100%の放射性物質が除去されたというデータもあります。汚染されたお米は日本酒用として活用する可能性があるかもしれません。
 野菜の場合は、煮る、ゆでる、ふきこぼす調理法が有効です。ホウレンソウやシュンギクは、ゆでてあくぬきすれば、セシウムやヨウ素の50~80%が落ちると報告されています。
 肉類の場合は、酢に2日間漬けて、汁を捨てると90%の放射能が除去されます。牛のロース肉を柔らかく煮ると、セシウム137の49%が除去できる実験結果も報告されています。
 魚の場合は主として内臓に放射性物質が蓄積されやすいので、内臓を取り除くことで、かなりの除染効果があります。煮魚にするとセシウム137の50%が除去されます。ストロンチウム90は骨に蓄積しやすいので、骨ごと食べる小魚の汚染状況にも注意を払う必要があります。

「しんぶん赤旗」日曜版 2011年9月18日付掲載


汚染された食品でもいろいろ手を尽くすと除染できるんですね。でも、最初から汚染されていない事に越したことはありません。
早く原発事故が収束してほしいものです。
「蒸留したブランデーはほとんど100%放射性物質が除去されたデータがある」って事に「これ幸い」とお酒飲みの人が飛びついて、お酒の量が増えるって事にならないでしょうか・・。
ちょっと心配です。