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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

国政にみる「維新」の正体② 響きあう“改憲の同志”

2013-04-04 18:54:36 | 政治・社会問題について
国政にみる「維新」の正体② 響きあう“改憲の同志”

「まず、皇統の問題です」
1月30日の衆院本会議。首相の所信表明演説を受けた衆院代表質問で、日本維新の会の平沼赴夫代表代行が真っ先に取り上げたのは、「男系の継承」による皇統(天皇の血筋)の存続でした。

保守色前面に
“保守色”を前面に打ち出し、憲法改定や軍事費増額を次々と問う平沼氏。答弁にたった首相は「格調高い、そして示唆に富んだご質問をいただいた」とほめたたえ、異様な響きあいをみせました。
そのはずです。平沼氏は、安倍首相が会長を務める改憲タカ派議員グループ「創生日本」の最高顧問。「『戦後レジーム(体制)』の根幹からわが国のあり方を見直」すという理念を共有し、「安倍内閣を全力をもって応援」し、憲法改定に突き進む“同志”なのです。
維新が3月30日の党大会で決定した新綱領は日本国憲法に「占領憲法」と悪罵を投げつけました。大会で橋下徹共同代表(大阪市長)は憲法前文についても「ありえない国際社会観」と切り捨てました。前文を「ユートピア的発想」として全面改定を狙う自民党の改憲草案に同調するものです。
維新の特異な国家観は、「国家の対外的な代表者は天皇」「日本は天皇を元首とする立憲君主国であるという趣旨を明記する」(馬場伸幸議員、衆院憲法審査会)という主張にも現れています。
自衛隊が「軍隊」であると明確にし、戦争や大災害など「国家非常事態」での「国民の責務」を明文化するという提起も自民党と同じです。



自民党の最右翼を歩んできた石原(左上)、平沼(右)の両氏と、安倍首相

異質な歴史
それだけに、歴史観も異質です。
「日本の戦前の朝鮮や台湾の統治は、欧米諸国の植民地主義とは違っていた」―。維新の中山成彬衆院議員は3月8日の衆院予算委でこう説き、土地・財産の収奪にとどまらず、「創氏改名」(朝鮮名を捨てさせ日本名を名乗らせた)など民族の誇りまで捨てさせた過酷な日本の植民地支配を合理化しました。
中山氏は自民党時代に暴言を吐き国交相辞任に追い込まれた前歴を持ち、日本の侵略戦争を正当化する名うての「靖国派」です。維新で復活当選した最初の質問で再び、「創氏改名」や日本軍「慰安婦」は強制や強制連行ではないという暴論を展開したのです。
維新は、侵略戦争正当化のセンターでもある靖国神社への参拝についても「総理がしっかりと英霊のみたまに参拝できる環境をつくっていくことが必要」(桜内文城衆院議員)などと促しています。
安倍首相、平沼氏、石原氏…。現在・過去と自民党の最右翼を歩んできた人物らに橋下氏が加わり、党の垣根を越えた事実上の改憲・復古連合が形成されています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年4月2日付掲載