安倍政権 危険な経済政策「アベノリスク」④ 被災地の苦しみよそに
東日本大震災で大きな被害を受けた仙台市沿岸部の蒲生地区には、家が津波で流され、コンクリートの基礎だけ残った光景が広がります。草が伸びて、基礎を覆いはじめています。
命守らずに
同地区の横手にある仙台港臨港地区には、東北地方最大の展示施設とされる「みやぎ産業交流センター」が立地しています。宮城県が「国際交流機能の集積」の建前で173億円も費やし、1995年に完成。当時から、税金投入は「地場産業の振興に直接役立たない」と批判されてきました。被災で使用不能となり、31億円の復旧費をかけて昨年7月に再開しました。復旧費のほぼ全額が、国からの復興交付税です。
これには、被災者から「医療の無料制度は打ち切られた。命を守ることが復興ではないのか」と怒りの声があがっています。大型施設が再開する一方、住民の生活の復旧は進んでいないのです。
地盤沈下などが生じた漁港は、復旧工事の着手率が宮城県では7割にも達しません。着工した後も、堤防の一部が土のうと土砂でかさ上げされただけの漁港が見られます。
工事が進まない要因の一つは人手不足です。
「震災前から不況で仕事が少なかった。後継者を育てようにも雇う余裕はなかった」。宮城県気仙沼市で住宅の改築や新築に携わる木村衛さん(63)はこう語ります。復興公営住宅20棟を建設することになったものの、大工職人の不足に悩んでいます。今後については、「復興事業が10年先もあるのか」と不安を口にしました。
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堤防の一部が土のうと土砂でかさ上げされただけの漁港=4月5日、宮城県気仙沼市
浪費の穴は
こうした被災地の復興の遅れをよそに、安倍晋三政権は「国土強じん化」をうたい、公共事業を推進。しかし、主には、急がれる震災復興ではなく、「八ツ場ダム」など不要不急の大型事業です。その浪費の“穴埋め”となるのが消費税増税です。「8%、10%となれば被災者は家を建てられない」。木村さんは、仕事も生活の糧も奪う増税に対し、力のこもった声で憤ります。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年4月19日付掲載
阪神淡路大震災の時との比でない、広範囲の被害があるんですから…。それも漁業や交通、商業などの生業の復興が求められているんですから…。
大規模な事業も必要でしょうが、それは民間主導で、資金力のある大企業が自らの事業として行ってもいいのではないでしょうかね。
人々の生業にかかわる事業は、資金力がないわけですから、国が行政による支援がどうしても必要ですネ。
東日本大震災で大きな被害を受けた仙台市沿岸部の蒲生地区には、家が津波で流され、コンクリートの基礎だけ残った光景が広がります。草が伸びて、基礎を覆いはじめています。
命守らずに
同地区の横手にある仙台港臨港地区には、東北地方最大の展示施設とされる「みやぎ産業交流センター」が立地しています。宮城県が「国際交流機能の集積」の建前で173億円も費やし、1995年に完成。当時から、税金投入は「地場産業の振興に直接役立たない」と批判されてきました。被災で使用不能となり、31億円の復旧費をかけて昨年7月に再開しました。復旧費のほぼ全額が、国からの復興交付税です。
これには、被災者から「医療の無料制度は打ち切られた。命を守ることが復興ではないのか」と怒りの声があがっています。大型施設が再開する一方、住民の生活の復旧は進んでいないのです。
地盤沈下などが生じた漁港は、復旧工事の着手率が宮城県では7割にも達しません。着工した後も、堤防の一部が土のうと土砂でかさ上げされただけの漁港が見られます。
工事が進まない要因の一つは人手不足です。
「震災前から不況で仕事が少なかった。後継者を育てようにも雇う余裕はなかった」。宮城県気仙沼市で住宅の改築や新築に携わる木村衛さん(63)はこう語ります。復興公営住宅20棟を建設することになったものの、大工職人の不足に悩んでいます。今後については、「復興事業が10年先もあるのか」と不安を口にしました。
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堤防の一部が土のうと土砂でかさ上げされただけの漁港=4月5日、宮城県気仙沼市
浪費の穴は
こうした被災地の復興の遅れをよそに、安倍晋三政権は「国土強じん化」をうたい、公共事業を推進。しかし、主には、急がれる震災復興ではなく、「八ツ場ダム」など不要不急の大型事業です。その浪費の“穴埋め”となるのが消費税増税です。「8%、10%となれば被災者は家を建てられない」。木村さんは、仕事も生活の糧も奪う増税に対し、力のこもった声で憤ります。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年4月19日付掲載
阪神淡路大震災の時との比でない、広範囲の被害があるんですから…。それも漁業や交通、商業などの生業の復興が求められているんですから…。
大規模な事業も必要でしょうが、それは民間主導で、資金力のある大企業が自らの事業として行ってもいいのではないでしょうかね。
人々の生業にかかわる事業は、資金力がないわけですから、国が行政による支援がどうしても必要ですネ。