きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ニセ科学の正体④ EMとはなにか

2014-10-18 17:19:47 | 科学だいすき
ニセ科学の正体④ EMとはなにか
左巻健男

私が編集長をしている『理科の探検(RikaTan)』誌2014春号は、「ニセ科学を斬る!」を特集しました。そこに、「EM団子の水環境への投げ込みは環境を悪化させる」
(松永勝彦)と「EMのニセ科学問題」(呼吸発電)という二つを取り上げています。本号は発行元のSAMA企画に在庫があります。
EMは有用微生物群の英語名の頭文字です。本当に有用かどうかははっきりしません。そう名づけただけだからです。中身は乳酸菌、酵母、光合成細菌などの微生物が一緒になっている共生体ということです。何がどのくらいあるかという組成がはっきりしていません。



小野絵里

最初に商品化されたのは土を改良する農業資材としてでした。その有効性をめぐって何かと論議をよびました。その後、生ごみ処理、水質改善、車の燃費節減、コンクリートの強化、あらゆる病気の治癒などに効果があるというようになり、さまざまな商品があります。そこにはニセ科学的な面が多々あります。
開発者によると、EMは「常識的な概念では説明が困難であり、理解することは不可能な、エントロピーの法則に従わない波動の重力波」が「低レベルのエネルギーを集約」し「エネルギーの物質化を促進」する、「魔法やオカルトの法則に類似する、物質に対する反物質的な存在」であり、「1200度に加熱しても死滅しない」で、「抗酸化作用・非イオン化作用・三次元(3D)の波動の作用」をもつとしています。「EMは神様」だから「なんでも、いいことはEMのおかげにし、悪いことが起こった場合は、EMの極め方が足りなかったという視点を持つようにして、各自のEM力を常に強化すること」を勧めます。EMはあらゆる病気を治し、放射能を除去するなど、神様のように万能だというのです。
EMを河川や湖、海に投入するような活動が、環境負荷を高めてしまう可能性が強いのに行われています。その延長線上では、健康のためにと「EM・X GOLD」という高額(500ミリリットル4500円)の清涼飲料水を飲む「EM力を強化する生活」が待っています。

このようなニセ科学にひっかからないためには、「たった一つのもので、あらゆる病気が治ったり、健康になったりする万能なものはない」「お金がかかり過ぎるのはおかしい」「ネットや本などでまともな情報を調べてみる。結構、情報がある」ことに留意しましょう。だまされないための基本は「知は力」ということです。ニセ科学に引っかからないセンスと知力―科学リテラシー(科学の常識)が求められます。
(さまき・たけお 法政大学教授)(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年10月15日付掲載


EMなんて横文字に騙されやすいんでしょうかね。「有用微生物」って言ったって、度を過ぎると逆に害を及ぼします。また、なんでもごったまぜにすればいいってもんじゃありません。
もちろん有用な物もあるでしょうから、しっかり調べて活用できるものは活用するべきでしょうね。