きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

性別なくても大丈夫♪② 理系の両親 新井祥

2020-05-07 08:24:33 | 政治・社会問題について
性別なくても大丈夫♪② 理系の両親 新井祥
「中性として生きていく」ということを親に伝えないままホルモン治療を始めていた、30歳を少し過ぎた頃。久しぶりに実家に帰ったある日、男声に声変わりをしているのを親に指摘された。
喉の病気かなんかじゃないかと心配する母に、「男性ホルモンを増やしてるんだ」と伝えると、今後の心配こそされたが咽頭がんなどではないことを安心されたのが印象的だった。
親にとって性別より健康かどうかが気になるんだな、と思うとなんだか嬉しいような、不思議な気持ちになった。



ドがつくほど理系で、マイペースなわが両親。状況を分析した結果、科学的に立証できる状態なら、たいていの場合アレコレと言ってこない。父も母も昔からそんな性格なので、「染色体違いました男になっちゃいます現象」に関しても、とくにこれといった悶着(もんちゃく)は起きなかった。
親としては悪気ないつもりでも、たまに性的少数者の気持ちを理解できてない発言をしてしまったりして、帰省時の空気が淀むようなことはあった。
だがそんな時、感情的にならず「フムフムなるほど」と理解を示してくれて、「セクシュアルマイノリティーの取り扱い方」を少しずつ覚えていってくれた親には、今でも感謝の気持ちでいっぱいである。
自分も高齢者になった時、若者が未知の価値観をぶつけてきても、フムフムと聞ける年のとり方をしていきたいと思った。
今年はウイルスの影響で帰省できなさそうだから、せめて父の日&母の日にはなにか贈り物でお祝いしようかなあ…。
(エッセー漫画家)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年5月4日付掲載


僕の子どものころ(約50年前)にも、男まさりの女の子はいました。
別に、それで仲間はずれされるようなことはありませんでした。
ホルモン治療のなかった時代のこと。
いまでこそ、科学的に分かってきたジェンダー。もっとおおらかに受け止められる社会へ。