一律休校 その先へ① 無理なく学ぶ学校づくり 道教組オンライン学習会
どんな学校で子どもを迎えればいいのか―。教職員組合で模索が続いています。その一つが、15日に開かれた全北海道教職員組合(道教組)主催の緊急オンライン学習会です。
北海道は年度初めにいったん開校しましたが、4月17日から再び休校。教員と子どもの命を守ることと、協力・協同の学校づくりを両立させたい。そして子どもが学ぶべきことをどう教えるか、という教育課程づくりを軸にしたい。そのチャレンジの第一歩に、約50人が参加しました。
担任への手紙
休校中、子どもに課題をどう届けるか。ある小学校で教務を担当する教員は「保護者来校」方式ではなく、各家庭への「ポストイン」方式にしました。理由は家庭の事情はさまざまだから。教育委員会から「来校方式に」と通知も来ましたが、「保護者に対して説得力がない」とポストインを続けました。
新しい課題を届けに行くと、終えた課題を入れた封筒に担任あての手紙が貼ってあったり、保護者から差し入れがあったり。「ポストインにしてよかった」と振り返ります。「今回子どもはいろいろな体験をしている。開校後は、それを振り返ることから始まると思う」と話します。
別の小学校教員は「自分の実践を反省しました」。子どもが自分の権利を自覚できるようなスタンスで、子どもと向き合うことが十分にできなかった。それが一律休校で「号令には従わざるを得ない、という意識をより育ててしまった感じがする」と言うのです。

緊急オンライン学習会のパワーポイントから
問いかける詩
前年度に担任した子どもからも今年度の子どもからも手紙が届きました。みな休校に満足していない。「学校ってなんだ」と問いかける詩もありました。なぜつまらないのか。「『友達に会えないから』と確定できない。それだけがもやもやの原因じゃない気がするんです。実はそれが学校の大事な部分であって、教育課程を考えていくポイントになるのでは」と。「学校で学ぶことを軸にしながら皆と生活することの意味に、子ども自身が気づいているんじゃないかと思います」
企画したのは、道教組教文担当で小学校教員の内藤修司さん。そのヒントは、4月と5月に大阪教育文化センターが発表した提言「学校再開に向けた、いまだかつてないとりくみを」でした。「詰め込むのではなく、『学校に来て楽しい』と思えるような、無理なく学び合える学校づくりを進めたいです」
◇
新型コロナウイルスの影響で続いた休校。子どもの暮らしは大きく変わりました。緊急事態宣言の一部解除のもと、学校再開の動きが進むいま、子どもにとって大切なことは何なのでしょうか。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年5月20日付掲載
先生たちが、「一律休校中の子どもたちにどう向き合うのか」と学びあう取り組み。
手間ひまかかるけど、教員が子どもたちの家を訪問して、ポストイン。
そして、子どもたちからも手紙が。
こういう交流が大事なのですね。
どんな学校で子どもを迎えればいいのか―。教職員組合で模索が続いています。その一つが、15日に開かれた全北海道教職員組合(道教組)主催の緊急オンライン学習会です。
北海道は年度初めにいったん開校しましたが、4月17日から再び休校。教員と子どもの命を守ることと、協力・協同の学校づくりを両立させたい。そして子どもが学ぶべきことをどう教えるか、という教育課程づくりを軸にしたい。そのチャレンジの第一歩に、約50人が参加しました。
担任への手紙
休校中、子どもに課題をどう届けるか。ある小学校で教務を担当する教員は「保護者来校」方式ではなく、各家庭への「ポストイン」方式にしました。理由は家庭の事情はさまざまだから。教育委員会から「来校方式に」と通知も来ましたが、「保護者に対して説得力がない」とポストインを続けました。
新しい課題を届けに行くと、終えた課題を入れた封筒に担任あての手紙が貼ってあったり、保護者から差し入れがあったり。「ポストインにしてよかった」と振り返ります。「今回子どもはいろいろな体験をしている。開校後は、それを振り返ることから始まると思う」と話します。
別の小学校教員は「自分の実践を反省しました」。子どもが自分の権利を自覚できるようなスタンスで、子どもと向き合うことが十分にできなかった。それが一律休校で「号令には従わざるを得ない、という意識をより育ててしまった感じがする」と言うのです。

緊急オンライン学習会のパワーポイントから
問いかける詩
前年度に担任した子どもからも今年度の子どもからも手紙が届きました。みな休校に満足していない。「学校ってなんだ」と問いかける詩もありました。なぜつまらないのか。「『友達に会えないから』と確定できない。それだけがもやもやの原因じゃない気がするんです。実はそれが学校の大事な部分であって、教育課程を考えていくポイントになるのでは」と。「学校で学ぶことを軸にしながら皆と生活することの意味に、子ども自身が気づいているんじゃないかと思います」
企画したのは、道教組教文担当で小学校教員の内藤修司さん。そのヒントは、4月と5月に大阪教育文化センターが発表した提言「学校再開に向けた、いまだかつてないとりくみを」でした。「詰め込むのではなく、『学校に来て楽しい』と思えるような、無理なく学び合える学校づくりを進めたいです」
◇
新型コロナウイルスの影響で続いた休校。子どもの暮らしは大きく変わりました。緊急事態宣言の一部解除のもと、学校再開の動きが進むいま、子どもにとって大切なことは何なのでしょうか。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年5月20日付掲載
先生たちが、「一律休校中の子どもたちにどう向き合うのか」と学びあう取り組み。
手間ひまかかるけど、教員が子どもたちの家を訪問して、ポストイン。
そして、子どもたちからも手紙が。
こういう交流が大事なのですね。