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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

経済四季報 2020年Ⅲ① 世界経済 コロナ禍で急激に景気悪化

2020-10-01 07:51:21 | 経済・産業・中小企業対策など
経済四季報 2020年Ⅲ① 世界経済 コロナ禍で急激に景気悪化
【ポイント】
①4~6月期GDP発表で2期連続マイナス成長が相次ぎ、景気の急悪化が鮮明
②価格低迷に加え、新型コロナウイルス禍で石油需要が急減し、石油産業に打撃
③一部IT企業には“在宅需要”の拡大が追い風。米企業時価総額の上位を独占

世界各国が4~6月期の国内総生産(GDP)を相次いで発表する中、新型コロナウイルスの感染拡大による急激な景気悪化が鮮明となっています。

2期連続減少
米商務省が7月30日発表した4~6月期の実質GDP速報値は、年率換算で前期比32・9%減となりました。下げ幅は四半期で統計を取り始めた1947年以降最大。マイナスは2四半期連続。
欧州連合(EU)統計局が7月31日発表した4~6月期のユーロ圏実質GDP速報値は、前期比12・1%減でした。下げ幅は1995年の現統計開始後最大。EU27力国全体では11・9%減(前期は3・2%減)。いずれも2四半期連続のマイナスでした。
オーストラリアやニュージーランドも2四半期連続のマイナスで、景気後退入りが確認されました。
アジア開発銀行(ADB)は9月15日、今年のアジア太平洋46力国・地域(日本など除く)のGDPが前年比0・7%減との予想を発表しました。マイナスは1962年以来。


世界経済の主な出来事(7月~9月)
7/1NAFTAに代わる新協定発効
7/7欧州委がユー口圏GDP予想を前年比8.7%減へ下方修正
7/13G7財務相会合が低所得国の債務返済の一時猶予徹底を確認
7/15産油国が減産規模を日量770万カロリーへ縮小
7/18G20財務相・中銀総裁会議が追加コロナ対策の用意を表明
7/30米商務省発表の4~6月期GDPが揃期比年率換算32.9%減
8/14米大統領がTikTOkの米国事業の90日以内の売却を命令
8/19米株式市場でアップル株の時価総額が一時2兆ドル超え
9/10欧州中銀が大規模緩和を維持
9/15アジア開発銀がアジアのGDPを0.7%減と予想
9/16米FRBがゼロ金利を2023年末まで維持する見通しを表明


石油産業苦境
供給過剰による石油価格の低迷に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞で石油需要が急減し、石油産業が打撃を受けています。
4~6月期決算は、英BP、英・オランダ系ロイヤル・ダッチ・シェル、米シェブロン、米エクソンモービルの欧米石油大手4社がそろって赤字でした。4社の赤字の合計は443億ドル(約4兆7000億円)にも達しました。
また、米国のシェール・オイル産業も苦境に陥っています。米法律事務所ヘインズ・アンド・ブーンのまとめによると、4~6月の石油・ガス関連企業の経営破綻は29社で、前期から倍以上に急増しました。
石油各社は生産を大幅に縮小し、米国の原油生産量は6月以降、日量約1100万バレルと、縮小前に比べ15%程度減少しています。しかし、シェール開発の先駆者である大手のチェサピーク・エナジーさえ耐えきれず、6月下旬に破綻しました。



新型コロナウイルス感染拡大の中、荷物を届けるアマゾンの配達員=4月22日、米コロラド州デンバー(ロイター)

IT追い風も
他方、一部のIT(情報技術)企業には、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う“在宅需要”の拡大が追い風になっています。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)と総称される米IT大手4社は7月30日、4~6月期の決算を発表。グーグル持ち株会社のアルファベットを除く3社が増収増益となりました。
特に、アマゾン・ドット・コムは、主力のインターネット通販の売り上げが大幅増となり、売上高、純利益ともに過去最高を更新しました。売上高は前年同期比40%増の889億1200万ドル(約9兆3000億円)。
アップルは4月に店舗閉鎖の影響を受けたものの、5、6月に販売が回復し、11%の増収。フェイスブックも11%の増収を確保。ただ、アルファベットは広告収入が減少し、初めて減収に陥りました。
新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が停滞する中、成長を続けるIT企業に投資資金が集中しています。8月19日の米株式市場でアップル株価が上昇し、米企業で初めて時価総額が一時2兆ドル(約212兆円)を超えました。
米企業の時価総額は、GAFAにマイクロソフトを加えたIT大手5社が上位を独占しています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年9月29日付掲載


新型コロナ感染拡大により、あらゆる産業が苦境に陥っています。
特に、重厚長大、石油産業の苦境は深刻。
ドライバーにとってはガソリン代が安くなって重宝しているんですが…。
IT産業はステイホームを受けて、成長しています。