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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

経済安保 基本方針 中国念頭に経済を軍事に動員 本格的に動き出した岸田軍拡路線

2022-10-06 07:12:45 | 予算・税金・消費税・社会保障など
経済安保 基本方針 中国念頭に経済を軍事に動員 本格的に動き出した岸田軍拡路線
岸田文雄政権は9月30日、経済安全保障法に関する基本方針と二つの関連指針を決定しました。さらに同日、軍事力の抜本的強化を議論する「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の初会合を首相官邸で開きました。3日の所信表明でも岸田首椙は経済安全保障の取り組みを強調。軍事と経済を一体化した岸田軍拡路線が本格的に動き出しています。

 30日に決定した経済安全保障法に関する基本方針では、「安全保障の裾野が経済分野へ急速に拡大する中で、国家および国民の安全を経済面から確保することが喫緊の課題となっている」と強調した。米国の対中戦略に日本の経済力を動員できる体制づくりの一環だ。
 基本方針ではさらに、「市場や競争に過度に委ねず、政府が支援と規制の両面で一層の関与を行っていくことが必要」と指摘した。半導体など重要物資の安定供給を確保したり、重要技術の研究開発を後押しする姿勢を明確した。



岸田文雄首相が所信表明演説をする衆院本会議=10月3日、国会内

財界の要望に呼応
 その一方で、規制については、「経済主体の経済活動における自主性を尊重」することをうたっていた。「規制措置ができる限り必要最小限度のものとなるよう努める」という。政府規制に懸念を示してきた財界要望に呼応するものとなっている。
 国の安全保障に関わるとされる「特定重要技術」の研究開発・活用についての基本指針では、人工知能やバイオ技術、ロボット工学、量子情報科学、サイバーセキュリティー技術など20分野をあげた。極超音速など軍事技術に直結する調査研究も含まれている。
 「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の初会合では、内閣官房国家安全保障局が提出した資料に、「自らの被害を抑えつつ敵に効果的に打撃を与える」兵器として無人機や人工知能(AI)開発・導入が挙げられている。
 確かに無人機は、攻撃する側の人的被害は防ぐことができるかもしれない。でも、海外では、無人機攻撃による民間人の被害が多数報告されている。
 科学技術が軍事に動員される危険が、いよいよ日本でも大きくなってきた。
 この有識者会合は、年末の「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の改定や、軍事費を反映させる2023年度予算案の編成に向け、提言を取りまとめることになっている。軍事費を2倍にする大軍拡路線にお墨付きを与える会合だ。
 国家安全保障局の資料には、3文書を改定する際の課題として「宇宙・サイバー等の新領域」などとともに、「経済安全保障」が挙げられている。国家戦略として「経済安保」が位置づけられることになる。

負担拡大危険な道
 安保3文書の改定作業の中では、米国の国家戦略とのすり合わせが進められている。その米国は、中国を「国際システムに挑戦し得る経済、外交、軍事、技術力を有する唯一の国」と位置付けて「自由で開かれたインド太平洋」戦略を押し出し、中国との覇権争いをしているよ。
 「国葬」参列のために来日した米国のハリス副大統領は9月28日、米軍横須賀基地で演説した。中国について、「中国はルールに基づく国際秩序の重要な要素を弱体化させている」「中国は海の自由に挑戦している」「中国は軍事力と経済力を駆使して近隣諸国を威圧し威嚇している」と語った。
 米国による中国対抗戦略は、日本にとって戦争への危険を高め、巨額の軍事費負担で財政負担も拡大する危険な道だよ。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年10月5日付掲載


「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の初会合では、内閣官房国家安全保障局が提出した資料に、「自らの被害を抑えつつ敵に効果的に打撃を与える」兵器として無人機や人工知能(AI)開発・導入が。
無人機による誤爆、民間人の殺害は世界的に問題になっている。
「国葬」参列のために来日した米国のハリス副大統領。「中国は海の自由に挑戦している」という。
確かに、中国の力による現状変更は許されない。一方で「自由」の名のもとに、力には力での対抗は危険がいっぱいである。