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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

経済読み解き 所得額「1億円の壁」 能力に応じた課税こそ

2022-10-07 07:10:30 | 予算・税金・消費税・社会保障など
経済読み解き 所得額「1億円の壁」 能力に応じた課税こそ

「1億円の壁」が政府税制調査会で議論の俎上(そじょう)に上っています。1億円の壁とは、所得額1億円を境に税負担率が低下する傾向を指したものです。能力に応じて負担する応能負担の税制を実現するためには1億円の壁にメスを入れる必要があります。
(清水渡)

個人所得税は所得額と種類によってかかる税率が異なります。給与収入などに対しては所得税の適用税率が住民税とあわせ最大55%まで累進的に増えるのに対し、株式譲渡益や配当所得にかかる税率は一律20%(住民税を含む)に抑えられています。株式等譲渡所得は高額所得者ほど所得に占める割合が大きく、2020年の統計によると、全国に28人いる所得100億円超の人の場合、所得の77・2%、全国で41人いる所得50億~100億円の人では所得の89・5%を占めます。その結果、所得1億円を境に高額所得になるほど所得税の負担率が下がる1億円の壁が生じるのです。




不合理な構造
4日に開催された第17回政府税調会合では、財務省が1億円の壁についての資料を提出。合計所得が1億円を超える1・9万人の所得総額5・6兆円のうち、上場株式の譲渡所得等が14・4%(0・8兆円)、非上場株式の譲渡所得等が27・4%(1・5兆円)、所有期間5年を超える土地・建物の譲渡所得が21・3%(1・2兆円)、給与所得が19・3%(1・1兆円)などであることが示されました。
所得税の税率構造は所得の量とともに、所得の種類別に税を担う能力(担税力)を考慮に入れることが必要です。給与所得など勤労性所得は担税力が弱く、株式譲渡益など資産性所得は担税力が強いとされます。つまり、汗水垂らして働いて得た賃金にかかる所得税より、ぬれ手であわで得られた株式譲渡益にかかる所得税のほうが安いというのは不合理と考えられます。

株取引対象に
しかし、現行の所得税の構造は、資産性所得を多く得られる富裕層ほど税負担率が低くなっています。日本共産党は参院選政策で株の配当や譲渡益にかかる税率がアメリカ(ニューヨーク市の場合) 32・7%、ドイツ26・375%、フランス30%などと比べても低すぎると指摘。株式配当については、少額の場合を除いて総合累進課税にすることや、株式譲渡所得にかかる所得税は高額部分には欧米なみの30%の税率を適用することを提案しました。同時に、所得税・住民税の税率を引き上げるなど所得税を改革することで、3兆円の財源が生み出せることを明らかにしています。
政府税調の会合では委員から「所得が高くなるほど税負担率が下がるのは、公平の観点から深く考える必要がある」などの指摘も出されています。税の公平を実現するためにも富裕層の株取引への課税強化は欠かせません。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年10月6日付掲載


個人所得税は所得額と種類によってかかる税率が異なります。給与収入などに対しては所得税の適用税率が住民税とあわせ最大55%まで累進的に増えるのに対し、株式譲渡益や配当所得にかかる税率は一律20%(住民税を含む)に抑えられています。その結果、所得1億円を境に高額所得になるほど所得税の負担率が下がる1億円の壁が生じる。
所得税の税率構造は所得の量とともに、所得の種類別に税を担う能力(担税力)を考慮に入れることが必要。給与所得など勤労性所得は担税力が弱く、株式譲渡益など資産性所得は担税力が強い。つまり、汗水垂らして働いて得た賃金にかかる所得税より、ぬれ手であわで得られた株式譲渡益にかかる所得税のほうが安いというのは不合理。
株取引による所得は、株の売買によるものと、株配当があります。株の売買は得するときもあれば損するときもある。得するときだけに課税を増やすってのは、異論があるかもしれませが、元々自由に使えるお金を投資しているもの。得したものへの増税は認められるのではないでしょうか。
また株配当は安定的に入ってくる収入。給与所得と総合課税にすべきです。
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